「反スパイ法」施行から10年 留学生減少など影響 中国
中国でスパイ行為を取り締まる「反スパイ法」が施行されてから、1日で10年となります。外国人が突然、スパイとして罪に問われる事件が相次ぐ中、留学生が減少するなどの影響が指摘されています。
中国でスパイ行為への取り締まりを強化する「反スパイ法」は、2014年11月1日に施行されました。その後も法改正で外国人への監視がより厳しくなり、去年は製薬会社で働く日本人男性も当局に身柄を拘束されました。
同様の事例が相次ぐ中、北京大学の男性教授は今年3月、「反スパイ法」が中国で学ぶ留学生を激減させる大きな要因になっていると指摘しました。
教授によると、10年前にはアメリカからの留学生はおよそ1万5000人だったのに対し、去年は350人ほどにまで減少したということです。
中国に暮らす日本人留学生も“リスクを避けるよう、心がけている”と話します。
日本からの留学生「中国に留学する学生も少ないのは知っていたんですけど、行ってみないと分からないこともたくさんあると思うし、もったいないと思う。(家族から)『何で行くのか』『怖い国だろう』みたいな感じで言われた。政治関係の所は『写真撮っちゃだめ』みたいになってるから写真撮らないし、歴史のこととかも言わない」
ただ、外国人の中には「10年たった今でも何がスパイ行為にあたるかが明確でない」などの懸念から中国を離れる人も出るなど、“負の影響”を指摘する声もあがっています。