北朝鮮が7日から4日連続で韓国との定時連絡に応じない状態が続き、韓国政府は北朝鮮が一方的に連絡を遮断したとみて、警戒を強めています。

韓国政府によりますと、北朝鮮は7日から10日まで、韓国との連絡事務所と軍の通信線による定時連絡に応じない状態が続いています。

これまでのところ北朝鮮側から声明などは出ていませんが、韓国統一省の報道官は10日、「北朝鮮側が一方的に遮断した可能性に重きを置いている」との見方を示しました。

北朝鮮は2020年から翌年にかけて、ビラの散布や米韓合同軍事演習に反発し、断続的に連絡線を遮断してきました。

ただ、2021年9月に金正恩総書記が通信回復を表明し、10月から定時連絡に応じていて、それ以降、通信が遮断されるのは初めてのことです。

北朝鮮側は先月以来、アメリカの原子力空母の展開を伴う米韓合同軍事演習や、北朝鮮の人権侵害をまとめた韓国政府の報告書などに強く反発していました。

北朝鮮が南北の通信連絡線を遮断した上で、今後、軍事的行動をする可能性もあり、韓国政府は警戒を強めています。