米国務長官「ロシア軍の撤収は確認できず、一部部隊がウクライナ国境に近づいている」
ロシア国防省は16日、実効支配するウクライナ南部クリミア半島で軍事演習を行っていた部隊が撤収しているとする映像を公開しました。
列車の荷台に積まれた多くの戦車。ロシア国防省によりますとこれは軍事演習を終えた部隊がクリミア半島とロシア本土を結ぶ橋を渡って撤収する際の映像だということです。
ロシア国防省は前日、部隊の一部がウクライナとの国境周辺から撤収を開始したと発表しています。
一方、アメリカのブリンケン国務長官は16日、出演したテレビ番組でロシア軍の撤収は確認できず、むしろ一部の部隊がウクライナ国境に近づいていると指摘しました。
ブリンケン国務長官「重要な部隊が国境から離れるのではなく、国境に向けて移動している。この部隊が国境から離れるのを確認する必要がある」
こうした中、NATO=北大西洋条約機構は東ヨーロッパに新たな部隊を配備する計画を検討することを決めました。緊迫するウクライナ情勢に対応したものですがロシアの反発を招く恐れもあります。
またさきほどアメリカのバイデン大統領とドイツのショルツ首相が電話でロシアへの対応を協議したほか19日にはG7の外相会議が開催される予定で、欧米諸国の活発な外交努力が続いています。