欧州の感染拡大続く NYには「ウソの壁」
ヨーロッパでの感染拡大が止まりません。スペインでは全土で再び非常事態宣言が出されました。こうした中、アメリカ・ニューヨークの街中に、トランプ大統領がついたウソを並べた「ウソの壁」が登場しました。
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■第二波深刻化のスペイン
104万人以上が感染したスペイン。感染第二波が深刻化しています(感染者:104万6132人、死者:3万4752人 米ジョンズ・ホプキンス大 26日午後4時時点)。
スペイン・サンチェス首相「スペイン全土で午後11時から午前6時まで外出を原則的に禁止する」
サンチェス首相は25日、全土で再び非常事態を宣言。国境は封鎖しないものの、各州の権限で州の封鎖はできるとしました。二度目の非常事態宣言に、スペインの人は――
「感染をコントロールできなくなっているので何らかの規制は必要だと思います」「もっと早く非常事態を宣言するべきだった」
■新規感染者数が初めて5万人を超えたフランス
これまでに113万人以上が感染したフランスでは25日、新規感染者数が初めて5万人を超えました(感染者:113万143人、死者:3万4673人 米ジョンズ・ホプキンス大 26日午後4時時点)。
すでに全人口の3分の2にあたるおよそ4600万人を対象に夜間の外出が禁じられているフランス。専門家からは外出禁止を全土で再び導入すべきとする声も上がっています。
■一部地域で規制強化 イギリス
87万人以上が感染したイギリスでも一部の地域で規制が強化されました(感染者:87万6840人、死者:4万4986人 米ジョンズ・ホプキンス大 26日午後4時時点)。
イギリス南西部のウェールズでは23日から食料品店や薬局などを除く商店の営業がおよそ2週間、禁止されました。
ウェールズの人「2週間限定ならみんなルールを守れると思う」
期間限定で強い規制をかけ、感染の連鎖を断ち切ろうという今回の対策。規制の期間を短くすることで経済への打撃を減らす狙いもあるということです。しかし、飲食店では――
飲食店の店員「経営はとても厳しくなる。家賃の支払いもある。不満を持っている人もいると思う」
第2波に見舞われたヨーロッパ。新規感染者数は今月22日から3日連続で20万人を超えるなど感染拡大は深刻化しています。
■NYに「ウソの壁」登場 アメリカ
これまでに863万人以上が感染し、世界最多となっているアメリカでも再び、急速に感染が拡大しています(感染者:863万6165人、死者:22万5230人 米ジョンズ・ホプキンス大 26日午後4時時点)。
トランプ大統領は25日、ホワイトハウスで毎年恒例のハロウィーンイベントを開催。大統領夫妻はマスクなしですが、仮装した参加者はマスク姿。金髪のカツラでトランプ大統領の仮装をした子供もマスクを着けていました。
例年は大統領自らお菓子を配りますが、今年は感染対策のためか、お菓子はナシ。イベントには医療従事者らの子供たちなどが招かれたということです。
こうした中、ニューヨークには「ウソの壁」が登場。トランプ大統領がついたウソが敷き詰められていて、その数4年間で実に2万件を超えています。およそ30メートルにわたって書かれた大統領のウソ。最近のものはそのほとんどが新型ウイルス関連です。
大統領がついた?「ワクチンはすぐできる」
ウソの壁の制作者「ウソの多さを目に見える形で表現したかった」「どれほど政府が機能していないのかを見るのは悲しいことだ」
アメリカの新規感染者数は今月23日には8万人を超え(8万3757人)、過去最多を更新。中西部を中心に急速に拡大しています。
■世界2番目のインドでは
790万人以上が感染し、世界2番目となっているインド(感染者:790万9959人、死者:11万9014人 米ジョンズ・ホプキンス大 26日午後4時時点)。
ニューデリー最大規模のヒンズー寺院で23日、ヒンズー教の祭りが行われました。しかし今年は感染対策のため、政府が寺院に市民が集まることを禁止。儀式の様子をライブ配信する寺院も。
ヒンズー教寺院の代表「私は76歳だが人がいない祭りは初めてだ」
インドでは10月下旬から11月中旬にかけて各地でヒンズー教の祭りが開かれ、例年、寺院には大勢の人が集まります。関係者だけで行われた今年の祭りの配信を自宅で見た家族は――
自宅で配信を見た人「とても悲しいですが感染状況を考えると我慢しなければなりません」「パンデミックを考えると今までのようにはお祝いできない」
来年はこれまでのように再び寺院で祝いたいということです。
世界では4300万人以上が感染。死者は115万人を超えています(感染者:4300万9938人、死者:115万3861人 米ジョンズ・ホプキンス大 26日午後4時時点)。