ロシアの軍事侵攻から50日目に… “全店舗閉鎖”のマクドナルド、モスクワで営業中
戦闘が激化するウクライナでは、ロシア軍の侵攻が始まって、14日で50日目になります。ロシアでは、欧米企業の撤退が相次いでいますが、閉店したはずのマクドナルドの店舗を13日、訪れると営業をしていました。
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ウクライナ第二の都市ハルキウ(ハリコフ)では、ロシアによる攻撃で住宅にも大きな被害が出ています。
ハルキウの住民
「強い衝撃波がきて、むちうちになった。(空爆で)全部が飛び出し、すべて吹き飛ばされてしまった」
一瞬で奪われた日常。
ハルキウの住民
「どうして平和な家を、民間人を…。私たちは一切、手を出していないのに」
そして、陥落間近といわれている南東部の要衝マリウポリでは、「我々の推定では、マリウポリで亡くなった民間人は約2万1000人に達しています」(マリウポリ市長)。
ロシア国防省は13日、「マリウポリで1026人のウクライナの兵士が武器を置き投降した」と発表しましたが、ウクライナ国防省は「降伏に関する情報はない」と否定しています。
マリウポリの治安組織「アゾフ連隊」がSNSに公開した映像では、男性が「爆発音がして、何が起きたか確認にでると、霧が見えた。あつくはないけど、煙のようだった。息をするのが非常に困難だった」と証言。「アゾフ連隊」は、「ロシア軍が化学兵器を使用した」と主張しています。
アメリカのブリンケン国務長官は、化学兵器の使用について、「なにも確認できていない」と語りましたが、同盟国と情報共有し真相究明する考えを示しています。
多くの民間人の遺体が見つかっている首都キーウ(キエフ)近郊のブチャでは、民家の庭に手作りのお墓がありました。
ブチャに住むドラフンさん
「死ぬには早すぎる…。さよならも言わずに」
土の下で眠る妻に語りかけるドラフンさん。ロシア軍の侵攻が始まると、息子と家族3人で地下室に避難したといいます。
ドラフンさん
「寒かったからずっと寝ていた。掛け布団が足りなかったけど」
過酷な環境で耐え忍ぶ日々の中、妻は息絶えたといいます。息子は、当初、現実を理解できなかったといいます。
ドラフンさん
「息子はここ(墓)に来たとき、母親はどこかへ出かけたのではなく、亡くなったと理解しました」
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ロシアによる軍事侵攻から1か月半以上が経過し、侵攻後初の記者会見を行ったプーチン大統領は、経済制裁などロシアを孤立させようという狙いは無意味だと強気の姿勢を示しました。
ロシア プーチン大統領
「我々の国の発展を遅らせたり、世界経済から孤立させようとするいかなる試みにも抵抗し続ける」
また、「特別軍事作戦の進行は計画通りだ」と軍事作戦を今後も継続する考えを示しました。さらに、キーウ近郊のブチャなどで多くの民間人の遺体が見つかり、「ロシアによる大量虐殺だ」と非難が出ていることについては、フェイクだと一蹴しました。
ロシア プーチン大統領
「ブチャもフェイクだ」
プーチン大統領が、「軍事作戦を継続する」と発言したことに、ウクライナのゼレンスキー大統領は、次のように強く非難しました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「そもそも、なぜ、このような計画が生まれたのか、世界の誰も理解できない。わずか1か月あまりで、自国(ロシア)の何万人もの兵士が死亡する計画は、なぜ、生まれたんだ。この計画を承認したのは誰ですか!」
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一方、ロシアのモスクワの駅構内にあるマクドナルドの店舗は、通常通り営業をしていました。欧米企業の撤退が相次ぐ中、マクドナルドは先月8日、「ロシア国内に展開する850の全店舗を一時的に閉鎖し、営業を停止する」と発表していました。
記者
「ビッグマックセットを頼みましたが、商品は以前と変わりません」
営業は無断とみられ、現地メディアは、「モスクワ市内では、3店舗が営業を続けている」と報じています。