ロシア軍侵攻から50日 住民が語る”無差別攻撃” 避難する車列に戦車2台が…
ロシア軍がウクライナに侵攻してから15日で、50日となります。首都キーウ(キエフ)では、激しい爆発音がしたと伝えられました。ロシア軍が撤退した町では、命をつないだ住民たちの証言から、凄惨(せいさん)な当時の状況が次々と明らかになっています。
◇
ロシアによるウクライナへの一方的な軍事侵攻から、15日で50日。ゼレンスキー大統領は、自身のFacebookに動画を公開しました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領(Facebookより 日本時間15日朝公開)
「最も勇敢な国の不屈の国民、我らはロシアによる侵攻から50日間耐えた。ロシアの侵略者は我らが耐えられるのは、長くても5日間だと思ったにもかかわらず」
NNNは、ロシア軍が撤退したキーウ近郊のマカリウに向かいました。町の一部がロシア軍に一時占拠され、これまでに民間人132人の遺体が見つかっています。
路上には、ロシア軍が迫ったとき、避難しようとした民間人が使っていたとみられる車が残されていました。白昼、ロシア軍による銃撃を受けたといいます。
そのとき、避難しようとしていて銃撃を受けたというバレリィーさんに話を聞きました。
ロシア軍に銃撃されたバレリィーさん
「向こうから2台戦車が来て、攻撃が始まりました。200メートルくらいまで近づき、銃撃されたんです」
語られたのはロシアによる無差別攻撃の実態でした。
バレリィーさん
「この車は家族が乗っていました、2人の子供とその両親。攻撃が始まったとき、母親は白いハンカチを手にして見せていましたが、腕を撃ち抜かれてしまいました」
バレリィーさんによると、当時、現場にいた約30人のうち逃げ遅れた子供を含む6人~9人ほどが命を落としたということです。
バレリィーさんの自宅はロシア軍の攻撃を受け、ベッドには砲弾が撃ち込まれていました。
バレリィーさん
「ここも銃撃されました」
当時、ロシア軍は自宅を占拠しており、キッチンには、ロシア軍の侵攻を支持する「V」のマークが残されていました。
バレリィーさん
「これはVマークです」
ロシア軍が撤退した首都キーウでも、動きがありました。ロイター通信は地元メディアを引用して、「15日未明、大きな爆発音がした」と伝えました。
キーウ市民
「(警報がなり)自宅の入り口あたりに一度避難し、鳴り終わったらベッドに戻りました 」
ロシア国防省は、「キーウ郊外の軍事標的を巡航ミサイルで一晩中攻撃した」と発表しました。
◇
キーウにある郵便局に人々の列ができていました。目当ては、ロシア軍の艦隊に立ち向かうウクライナ兵を描いた切手です。
ロシア軍の艦隊を巡っては14日、黒海艦隊の旗艦ミサイル巡洋艦「モスクワ」が沈没しました。ロシア国防省は、「船で火災が発生し弾薬に引火して爆発。えい航中に暴風雨により沈没した」と説明しています。一方、ウクライナ軍は「対艦ミサイル2発で攻撃を行った」と主張しています。
切手は、侵攻後にウクライナ兵の1人がロシア軍の降伏命令に抵抗した様子をモチーフに作られたものです。ただ、描かれた軍艦は、まさに今回沈没した「モスクワ」ではないかと言われていて、人気が出ているといいます。
キーウ市民
「我が国の軍隊が侵略者の艦隊を破壊したのです。この出来事を忘れないため切手を買いました」
◇
長期化する侵攻で、日本国内にも影響が出ています。
千葉市にある鮮魚店でも、ロシアによる侵攻の影響が出ているといいます。
石毛魚類千城台本店 谷中政夫店長
「これが今おいてあるロシアのズワイガニね」
並べられていたのはロシア産のズワイガニで、15日時点では、5800円で販売されていました。
石毛魚類千城台本店 谷中政夫店長
「これを新たに買って(仕入れて)販売すると、4割から5割高になって、7800円くらいになっちゃう」
ロシアから入ってくる商品が少なく、仕入れ値が上がっているといいます。
石毛魚類千城台本店 谷中政夫店長
「仕入れができない状態、高すぎて。もう先行き不透明ですね」
また、ロシア産のめんたいこ、いくらなども仕入れ値が上がってきていて、日に日に影響は大きくなっているということです。