韓国・尹大統領に再び弾劾訴追案か 大統領府に家宅捜索も
韓国の尹錫悦大統領が一時宣言した“非常戒厳”をめぐり、最大野党は近く尹大統領の弾劾訴追案を再び提出する方針です。ソウルから中継です。
与党からは今度は賛成を投じると公言する議員もいて、事態は混沌としています。
野党は近く提出する弾劾訴追案について、14日の午後5時から採決することを目指しています。
前回、7日の採決では与党議員のほとんどが棄権し、票数が定数に達しなかったため、廃案となっていました。
野党はこれに猛反発していて、可決されるまで弾劾訴追案の提出を続けると徹底抗戦の構えです。
可決には与党から少なくとも8人の造反が必要ですが、すでに複数の議員が賛成を投じると公言していて、場合によっては可決される可能性もささやかれています。
――可決された場合、尹大統領は辞任となるのでしょうか。
尹大統領はあくまで粘るのではとの見方が出ています。
そもそも与党は尹大統領を早期退陣させることで事態を収拾したい考えで、退陣時期をめぐり党内議論が進んでいます。
しかし、ここに来て尹大統領は早期の退陣は受け入れず、仮に弾劾可決されても次の憲法裁判所で徹底的に争う姿勢だと複数の韓国メディアが伝えています。
憲法裁判所では大統領を罷免するかどうか180日以内に判断しますが、憲法裁判所が大統領の罷免を判断するにはかなりハードルが高いため大統領府の高官はまだ勝算があると判断しているということです。
――大統領をめぐる捜査についてはどうなっていますか?
警察は戒厳後、初めて尹大統領の関係先の強制捜査に着手しました。
韓国警察は11日午前、大統領府の家宅捜索に踏み切りました。
捜索令状には被疑者として尹大統領の名前があり、大統領の執務室などが捜索の対象となっています。
ただ、軍事機密を保護する法律をもとに中に入ることを拒まれていて、足止めさせられているということです。