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NYで“追悼式”翻弄された女性ダンサーは

2021年3月15日 19:28
NYで“追悼式”翻弄された女性ダンサーは

アメリカ・ニューヨーク市で、新型コロナウイルスによる最初の死者が確認されてから一年となりました。ワクチン接種がすすみ、徐々に日常を取り戻すなか、新型コロナウイルスに翻弄された、1人の女性ダンサーを取材しました。

14日、ニューヨークでは、新型コロナウイルスによる3万人を超える犠牲者の追悼式が行われました。最初の死者が出てからちょうど一年。ニューヨーク州では、すでに2割以上が一度目のワクチンを接種。徐々に日常を取り戻しつつあります。

一方で、今も「人が戻らない場所」があります。ダニエラ・フニチェロさん(26)、ニューヨークで活躍するトップダンサーの1人です。

しかし、感染拡大で舞台はキャンセルとなり活躍の場を奪われました。この日、丸一年使われていなかったホールに、特別に許可をもらい案内してもらいました。

ダンサー・ダニエラさん「感情的になってしまうわ」

誰もいない客席。

ダニエラさん「一年間この空間を、そしてこの劇場が観客で埋まるのを待ちわびています」

この一年でこの業界では66%の雇用が失われました。収入は激減し、ダニエラさんも失業給付金を受けています。

ダニエラさん「私にとってダンスは愛しているというだけでなく仕事ですから、それがなくなったら私は何者なのかと考えていました」

観客の前に立てない時間が続くことに苦しむ日々。こうしたなか始めたのはオンラインでのレッスン。

ダニエラさん「生活や人は変化していくかもしれませんが、状況は良くなっていくはずという希望があります」

2月、ダニエラさんは仲間とともに練習を再開。観客の前に戻るための準備に動き出しました。そして、今月12日。屋外を条件に一年ぶりに観客の前に立てることになったのです。道行く人が足を止め見入ります。

ダニエラさん「久しぶりに拍手や歓声を聞くことができました」

来月には制限つきではあるものの、屋内イベントも解禁に。アートの街・ニューヨークに希望の光が見えてきました。