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東日本大震災追悼式 菅首相が式辞

2021年3月11日 15:14
東日本大震災追悼式 菅首相が式辞

東日本大震災の発生から10年を迎える11日、政府主催の追悼式がおこなわれ、菅首相は災害に強い国づくりを進めていくと改めて強調しました。菅首相の挨拶全文は以下の通りです。

    ◇

本日ここに、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、「東日本大震災十周年追悼式」を挙行するに当たり、政府を代表して、謹んで追悼の言葉を申し上げます。

かけがえのない多くの命が失われ、東北地方を中心に未曾有の被害をもたらした東日本大震災の発生から、十年の歳月が流れました。最愛の御家族や御親族、御友人を失われた方々のお気持ちを思うと、今なお哀惜の念に堪えません。ここに改めて、衷心より哀悼の誠を捧げます。また、被災された全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。

震災から十年が経ち、被災地の復興は、着実に進展しております。地震・津波被災地域においては、住まいの再建・復興まちづくりがおおむね完了するなど、復興の総仕上げの段階に入っています。

原発事故によって大きな被害を受けた福島の被災地域では、昨年に、帰還困難区域を除く全ての地域の避難指示が解除されるとともに、帰還困難区域でも初めて一部で避難指示が解除されるなど、復興・再生に向けた動きも着実に進んでいます。

一方で、いまだ2千人の皆さんが仮設住宅での避難生活を強いられるなど、長期にわたって不自由な生活を送られています。また、被災地では、被災者の心のケア等の課題が残っていることに加え、一昨年の台風19号、昨年来の新型コロナ感染症に続き、先般も大きな地震が発生するなど、様々な御苦労に見舞われています。

特に、新型コロナ感染症により、地域の皆様の暮らしや産業・生業にも多大な影響が及んでいます。政府として、新型コロナ感染症対策に万全を期すとともに、今後も、被災者の生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。

中長期的な対応が必要な原子力災害被災地域においては、帰還に向けた生活環境の整備や産業・生業の再生支援などを着実に進めます。来年度からの第2期復興・創生期間においても、福島の本格的な復興・再生、そして東北復興の総仕上げに、全力を尽くしてまいります。

震災による大きな犠牲の下に得られた貴重な教訓を決して風化させてはなりません。国民の命を守る防災・減災を不断に見直し、あらゆる分野において国土強靭化に取り組み、災害に強い国づくりを進めていくことを、改めて、ここに固くお誓いいたします。

震災の発生以来、地元の方々や関係する全ての方々の大変な御努力に支えられながら、復興が進んでまいりました。世界各国・各地域の皆様からも、多くの、温かく心強い御支援を頂いており、心より感謝と敬意を表したいと存じます。

震災の教訓と我が国が有する防災の知見や技術を、世界各国・各地域の防災対策に役立てていくことは、我々の責務であり、今後も防災分野における国際貢献を、一層強力に進めてまいります。

新型コロナ感染症を克服し、一日も早く安心と賑わいのある日常を取り戻せるよう、全力を尽くして参ります。

我が国は、幾度となく、国難と言えるような災害に見舞われてきましたが、その度に、勇気と希望をもって乗り越えてまいりました。今を生きる私たちも、先人たちに倣い、手を携えて、前を向いて歩んでまいります。

御霊の永遠に安らかならんことを改めてお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆様の御平安を心から祈念し、私の式辞といたします。

令和3年3月11日
内閣総理大臣 菅義偉

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