大規模接種会場で“集団感染” マレーシア
感染拡大の歯止めのカギを握るワクチン接種。その接種会場で集団感染が起きました。マレーシアの大規模接種会場でスタッフが集団感染し、会場が閉鎖される事態となりました。一方、ロシアで現在、課題となっているのがワクチンの接種率です。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。
■ロシア
580万人以上が感染したロシア。(感染者 588万2295人 死者 14万6069人 露コロナウイルス対策本部 15日発表)
保健当局によりますと、15日には1日の死者数が791人と過去最多を更新。感染拡大が懸念されています。
そのロシアで現在、課題となっているのがワクチンの接種率。
記者
「ここはモスクワにあるワクチンの大規模接種会場ですが、3年前にワールドカップの決勝が行われたスタジアムになります」
会場は1980年のモスクワオリンピックでもメイン会場として使用されたロシア国内最大の球技専用競技場。
医師25人を含む総勢1000人以上の体制で、先週金曜日(9日)から、外国人への大規模接種が始まりました。
市立診療所責任者
「全体で(1日に)1万5000人が接種することができます」
市当局によりますと、モスクワは外国人の流入が多く、人数も多いことから、外国人への接種を始めたといいます。
外国人への接種に使われるのは1回接種型の「スプートニク・ライト」。接種は有料で、1回およそ2000円です。
接種した人
「自分の健康のために来ました。自分の意思で来ました。それと仕事で必要なので」
この会場には毎日、多くの人がつめかけていて、開始4日間で2万4000人が接種したということです。
■マレーシア
一方、マレーシアの大規模接種センターでは一時、閉鎖される事態に…。会場で集団感染が発生したため、消毒作業などが行われたといいます。
マレーシア政府によりますと、ボランティアスタッフ2人が感染したことから、この会場で働くスタッフ453人全員を検査。すると、半数近い204人が感染していたということです。
ただ、スタッフのおよそ9割はワクチンを接種していて、政府は「感染者から出ているウイルス量は少ない」と説明しています。
マレーシアでは85万人以上が感染。(感染者 86万7567人 死者 6503人 米ジョンズ・ホプキンス大 15日午後5時時点)
インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の拡大などで、14日には1日の新規感染者が1万1600人を超え、感染が拡大しています。
■イギリス
525万人以上が感染したイギリス。(感染者 525万2655人 死者 12万8797人 米ジョンズ・ホプキンス大 15日午後5時時点)
死者数や入院患者数が低い水準で推移していることから、来週19日以降、国内の広い地域でほぼすべての法的規制が解除されることになっています。
ただ、14日の新規感染者数がおよそ6か月ぶりに4万人を超えるなど、感染が拡大。そのため、ロンドンのカーン市長は市内の公共交通機関では、19日以降もマスクの着用を義務づける考えを表明しました。
規制の全面的解除については、専門家からも「時期尚早」などと反対意見が相次いでいます。
■韓国
新型コロナウイルスの感染が再拡大している韓国。(感染者 17万3511人 死者 2050人 韓国・保健当局 15日)
韓国の保健当局によりますと、1日あたりの新規感染者が2日連続で1600人以上となり、感染拡大に歯止めがかからない状況です。
ソウルを含む首都圏では、対策が最も高いレベルに引き上げられています。そのため、スポーツジムでも様々な規制が…
保健当局は、激しい運動は飛まつが排出される可能性が高いとして、ランニングマシンの速度は時速6キロ以下に、さらに、ダンスの際などに流す音楽についても、1分間のテンポを示すBPMが120を超える曲が禁止されました。
こうした制限に利用者は…
ジムの利用者
「BGMの規制がどういう効果をもたらすのかピンとこない」
ジムの経営者
「基準がすごく曖昧で、これは正直、実効性がないと思う」
保健当局は「感染の危険性を減らし、ジムの営業を続けてもらうための措置だ」と説明しています。