制限超える出産“罰金”廃止へ 中国
中国政府は、制限を超える出産に対する罰金を廃止すると発表しました。今年5月には、夫婦1組につき3人目まで認める方針を打ち出していて、その具体的な措置を示したかたちです。
中国では1979年以来、人口抑制策として「一人っ子政策」を進めてきましたが、急速な少子高齢化を背景に5年前に撤廃。その後は2人目まで認めてきたものの、労働人口の減少に歯止めがかからず、中国政府は今年5月、産児制限を3人にまで緩和する方針を示していました。
その具体的な措置として、中国政府は20日、「一人っ子政策」から続いてきた制限を超える出産への罰金を廃止すると発表しました。さらに、3歳以下の子育て費用を個人所得税から控除するなどの育児支援策を検討するということです。
今回の決定について中国政府は、「2035年前後には重度の高齢化段階に入り、社会や経済など多方面への深刻な影響が懸念される」と危機感を強めています。
一方で、衛生当局は翌日の会見で、「今後もしばらくは、中国の人口は多く、発展が不均衡であるとの事実は根本的に変わらない」と述べ、産児制限そのものは廃止しない姿勢を強調しました。