バイデン氏“米軍の期限内撤退完了”を表明
アメリカのバイデン大統領は日本時間25日朝、アフガニスタンについて演説し、今月31日に予定通りアメリカ軍の撤退を完了させる方針を表明しました。
ホワイトハウスでの演説は開始時刻が何度も変更になり、結局5時間遅れで始まりました。バイデン大統領の大きな決断の裏で、政権内の混乱もうかがえます。
バイデン大統領「今月31日までに撤退を完了するペースで進んでいる」「日がたつにつれ米軍へのリスクが増している」
バイデン大統領は、イスラム主義勢力・タリバンが期限の延長は認めない考えを示す中、合意を守る形で、今月31日までにアメリカ軍が撤退する方針を表明しました。ただ、大統領は「タリバンが空港へのアクセスを認め、妨害しないかにかかっている」と条件も付けてけん制しました。
さらに、過激派組織「イスラム国ホラサン州」による脅威が増しているとも指摘した上で、「長くとどまればアメリカ軍が攻撃を受けるリスクが高まる」としています。
一方で、現地に残るアメリカ人の正確な人数は把握できていないとして、ブリンケン国務長官に報告を求めたほか、議会下院の有力議員からは早速、「すべてのアメリカ人の避難さえ不可能で、無謀な判断だ」との声もあがっています。
バイデン政権関係者は、「1人でもアメリカ人の犠牲者が出れば政権はさらなる危機に陥る」と指摘していて、撤退期限まで1週間、予断を許さない状況が続きます。