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台湾若者が「開票パーティー」、選挙への関心高い理由は…有働キャスターが現地取材

2024年1月16日 6:25
台湾若者が「開票パーティー」、選挙への関心高い理由は…有働キャスターが現地取材

13日に投票が行われた台湾の総統選挙。現地の若者を有働由美子キャスターが取材しました。バーを訪ねると、多くの若者が見つめていたのは選挙特番。そこでは「開票パーティー」が…

   ◇


新たなリーダーが決まる前夜。私が取材したのは、与党・民進党の「最後のお願い」集会です。

有働由美子キャスター(台湾・新北市、12日夜)
「かなりの数の人で、奥の方はどこまで人がいるのか見えなくて、何人くらいなのかちょっとわかりません」

主催者によると、集まったのは約20万人。

有働キャスター
「見たことがない光景」

選挙戦に沸いた台湾。

「頼総統! 頼総統!」

当選したのは「中国と距離を置く」与党・民進党の頼清徳さんでした。取材を進めると、民主主義への強いこだわりが見えてきました。

   ◇

投票が行われた13日。

有働キャスター(台湾・台北市、13日)
「おはようございます」

東京でIT企業勤務 方さん(26)
「方です。よろしくお願いします」

出会ったのは、流ちょうな日本語を話す、方さん26歳です。現在、東京でIT関連の仕事をしています。

東京で勤務 方さん(26)
「今回、台湾に帰る目的は投票です。自分のふるさとの未来のために帰りたいと思って」

有働キャスター
「今は日本に住んでいるから、今回は(投票に)行かないみたいな選択肢はなかったですか?」

東京で勤務 方さん(26)
「飛行機(のチケット)買うときに『いや、高いかな~?』と思って1秒だけ迷いました」
「みんなが一票、一票、一票。めっちゃ大きな変化できるかなと」

台湾では、戸籍のある場所での投票が義務づけられていて…

東京で勤務 方さん(26)
「赤と緑の線がついてるブースが、今回私が行く投票所です」

有働キャスター
「えっ! 投票所こんな簡易な感じなんですか?」

東京で勤務 方さん(26)
「みんながアクセスしやすい場所。投票行ってきます」

有働キャスター
「行ってらっしゃい」

有働キャスター
「もう本当に意識が全然違いますね。『行かなきゃ』じゃなくて、『行くのが当たり前』だし。自分の一票が自分の未来を変えるっていう感覚を持って、ちゃんと選挙に臨むっていうのがすごいですね。でも、そうあらねばならないですもんね」

   ◇

13日、街ではお寺や幼稚園、レストランなどさまざまな場所が投票所に変化していました。ビールが入った冷蔵庫のすぐ横で、投票用紙を記入します。

現地時間13日午後4時、投票が締め切られると…

有働キャスター
「中が投票所から一気に参観席などができて、ここそのものが開票所になるそうです」

一般市民たちが次々と集まり、不正がないか、開票作業を見守ります。

スタッフ(台湾・台北市、13日)
「民衆党 柯文哲に一票」
「民進党 頼清徳に一票」

有働キャスター
「みなさん、食い入るように見ていらっしゃいますね」

投票率が7割を超えた今回の総統選(投票率 71.86%)。ここまで投票率が高い理由のひとつが、中国との距離感が関係してくるからなのです。

中国と距離を置く与党・民進党。対して、中国との融和姿勢を見せてきたのが最大野党の国民党。そして民衆党は、中国と“対話路線”を訴えてきました。

投票日の夜、台北市にあるバーでは、多くの若者が集まっていました。

有働キャスター
「一番奥でやっていますね、開票速報パーティー。前に席が並んでいまして、映画の上映会みたいになってるんですけど、そこで開票速報をやっています」

方さんの姿もあったのですが、なにやらもめている様子です。

有働キャスター
「何をそんなにもめている?」

方さん・「民進党」支持
「こちらの友達は民衆党を支持しています。そして(もう1人の)こちらの友達は私と同じで民進党をサポートしている。お互い違う価値観で議論しています」
「応援している政党の意見を勉強するだけではなく、反対の政党の意見もちゃんと覚えている」

有働キャスター
「なるほど。だから議論できるんですね。ずっと話していますもんね」
「お互いに説得しあってる感じ。『こちらはこうじゃないか』みたいな。自分の経験でもここまでやってないなぁ」

一方、民進党にやぶれた“中国との融和姿勢”を訴える国民党。その候補者の1人に14日、話を聞いてきました。

動物愛護などを訴えて、初めて立候補した李さんです。落選しましたが、政治に参加したことに満足していました。

有働キャスター
「次の選挙、立候補する?」

「国民党」から立候補 李さん
「機会があれば、もちろん立候補します。今回は私にとってよいスタートだと思います。国民党も民主主義を大事に思っています。中国との関係を良くするため、対話することが必要と考えています」

一方、初めての投票だったというのが、大学生の陳さんです。

初めて投票 大学生・陳さん(20)
「開票経過をみる時、少し緊張しました。初めて自分が投票した候補者の開票結果を見たから」

投票したのは民衆党の柯文哲さんでしたが…

初めて投票 大学生・陳さん(20)
「台湾の人々が選んだ総統なら、私はその選択を尊重すべき。民進党政権で台湾の未来がどうなっていくか、しっかり見ていく」

有働キャスター
「日本の若者が投票に行かないのが毎回問題になっている。台湾では投票が『当たり前』だということに感銘をうけた」

初めて投票 大学生・陳さん(20)
「もっと(選挙に)熱意を持つべきだと思います。自分の国・居場所なので。自分が無関心で誰が関心を持ってくれるんですか?」

有働キャスター
「ほんとだよね。そう思う」

(1月15日放送『news zero』より)

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