対馬の寺 仏像返還求め韓国の裁判参加意向
9年前に長崎県の対馬から盗まれ韓国で見つかった仏像の所有権をめぐる裁判で、仏像の返還を求めている対馬の寺が「補助参加人」として裁判に参加する意向を示す文書を韓国の裁判所に提出したことがわかりました。
長崎県対馬市の観音寺が所蔵していた「観世音菩薩坐像」は、2012年に盗まれその後、韓国で見つかりましたが、韓国の浮石(プソク)寺が「中世に日本に略奪された」として所有権を主張しています。
仏像は韓国政府が保管していますが、浮石寺側は引き渡しを求め提訴。1審は韓国政府に仏像の引き渡しを命じましたが、韓国政府は仏像と寺の関係が十分に証明されていないとして控訴し、大田(テジョン)高裁で2審の審理が続いています。
裁判所によりますと、22日付で仏像の返還を求める日本の観音寺から、「補助参加人」として裁判に参加する意向を示す文書が届いたということです。24日の口頭弁論で具体的な参加手続きなどが審理される見通しです。
仏像の盗難からおよそ9年を経て、今後、寺側が直接仏像の返還を訴える場が設定されるものとみられます。