ケネディ元大統領“暗殺の真相”は…60年の沈黙を破り“新証言” 当時現場にいた警護官が語る
アメリカで今も高い人気を誇るケネディ元大統領。暗殺されてから22日で60年となります。こうした中、当時現場にいた警護官が今年、60年の沈黙を破って新たな証言を公表しました。NNNの取材に語ったその内容とは…。
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アメリカ・ワシントンDCにある創業90年のレストラン。土地柄、数々の政治家に愛されたこちらの店で人気の席があります。
記者
「ケネディ大統領がジャクリーン夫人にプロポーズをした席ということで、いつも予約が入っているのです」
1961年、43歳の若さでアメリカの大統領に就任したジョン・F・ケネディ氏。この店には議員時代からたびたび通い、クラムチャウダーとたっぷりのバターで焼いたステーキがお気に入りだったといいます。
客
「彼はカリスマで言っていることが明確でした。みんなそれが好きだった」
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今でも高い人気を誇るケネディ元大統領。しかし、その最期は60年前、パレードの最中に暗殺されるという衝撃的なものでした。
暗殺は、事件直後に逮捕され2日後に死亡した容疑者、オズワルド氏の単独犯だったと結論づけられましたが、今も、アメリカ国内には真相に疑問を持つ市民が数多くいます。
こうした中、60年の沈黙を破って新たな証言をした人物がいました。あの時、大統領が乗る車のすぐ後ろで警護にあたっていたポール・ランディス氏(88)です。銃声を聞いたというランディス氏は次のように述べています。
当時警護にあたっていたランディス氏
「最初の音(銃声)は右肩越しに聞こえて、私は振り返りました」
「3発目の銃声が聞こえました。そこで…大統領の頭が爆発するのを見たのです」
事件後の調査では銃撃は3発あったとされています。致命傷となったのは3発目の頭部に命中した銃弾です。
その前に、1発は外れ、1発が大統領の首のあたりに当たったといいます。調査によると、大統領の首を貫通し、さらに前に座るテキサス州知事にも当たったとされるその銃弾。病院で知事を乗せたとみられる担架の近くで見つかったといいます。
しかし、病院に到着後、大統領夫妻の元に駆けつけたランディス氏によると、“銃弾はまったく違う場所にあった”というのです。
ランディス氏
「病院に着いた時、夫人は大統領の上にかがみ込み、頭を自分の体で覆っていました。彼女を助け起こそうとして『ケネディ夫人、お手伝いします』と言いましたが、彼女は『いいえ、私は彼と一緒にいたいんです』と言いました」
「人々が大統領を車から降ろし、担架に乗せました。そして、ケネディ夫人が立ち上がった時(大統領夫妻が)座っていた後部座席に弾丸があったんです」
ランディス氏が銃弾を見つけたのは、大統領のいた座席部分だといいます。そうなると出てくるのが、どの銃弾が知事を傷つけたのかという疑問です。
60年の時を経て語られた新たな証言。アメリカメディアは、もし証言が事実なら、大統領と知事を短時間で続けて銃撃するのは難しいため、知事は別の銃で撃たれた可能性がある、つまりオズワルド氏とは“別の銃撃犯”がいた可能性が浮上するかもしれないと指摘しています。
ランディス氏
「私はただ、自分が何をしたのか、何を見たのかを伝えたかった。私はオズワルドの単独犯だとずっと信じていました。もし誰かがその結論と違う説を証明するようなことがあれば、私はそれを受け入れます」
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一方、長年事件を研究する専門家はランディス氏の「告白」の信ぴょう性に懐疑的な見方を示しています。
ケネディ暗殺を長年研究するサバト教授
「事件はオズワルド氏の単独犯だという圧倒的な量の証拠があります。状況証拠は、少なくとも彼の証言の一部が記憶違いである可能性を示唆しています」
死後60年たっても残るケネディ大統領暗殺のナゾ。果たして真相をめぐって誰もが納得のできる結論は出されるのでしょうか。