×

【解説】トランプ人事は“忠誠と強硬”?  マスク氏「政府効率化省」トップへ

2024年11月13日 18:51
【解説】トランプ人事は“忠誠と強硬”?  マスク氏「政府効率化省」トップへ

12日、トランプ次期大統領は、政府支出の効率化や規制の撤廃などを行う「政府効率化省」を新設し、イーロン・マスク氏と、大統領選挙で共和党の候補者指名を争った実業家のラマスワミ氏が共同で率いると発表しました。政府の外から助言を行うとしています。トランプ氏は声明で、遅くとも2026年7月の独立記念日までに「政府支出の膨大な無駄遣いを一掃する」と強調しました。今後の動きについて、国際部の富田徹デスクが詳しく解説します。

鈴江奈々キャスター
「イーロン・マスク氏が担当する政府の効率化。これは何をしていくのでしょうか」

国際部 富田徹デスク
「政府の無駄を排除すると言っていますが、真の狙いは、連邦政府の官僚たちから権限や予算を奪って、大統領に対抗できなくする。つまりアメリカをトランプ一強の国にする狙いもあるとみられています」

鈴江キャスター
「具体的には、それはどうやって進めるのでしょうか?」

国際部 富田徹デスク
「例えば大勢の政府職員を解雇することもささやかれています。またマスク氏は政府の支出を調べ上げて『税金の最も愚かな使い道をランキングで発表する』と話していて、これはかつて日本の民主党政権が行った『仕分け』みたいなイメージですかね」

「後は政府がこれまでかけてきた規制を緩和することも挙げられています。ただ、マスク氏は会社経営も続ける考えで、マスク氏の事業にとって、有利な規制緩和も含まれるのではという見方もあります」

国際部 富田徹デスク
「そうした期待感から、マスク氏の会社の株価も急上昇して、トランプ氏勝利の後のこの1週間だけでも、資産が10兆円以上増えているといいます。アメリカメディアは、マスク氏の資産がこれで45兆円を突破したと伝えています。マスク氏はトランプ氏の集会で100万ドルをばらまくなどして、応援に200億円近くを使ったということですが、十分元が取れているのでは、とも指摘されています」

鈴江キャスター
「他のメンバーも徐々に決まってきていますよね。顔ぶれに何か特徴はあるのでしょうか」

国際部 富田デスク
「はい。これは『トランプ氏への忠誠度』、これを重視して人選が進んでいると考えられます。例えば、国境の管理などを担当する国土安全保障省の長官には、州知事のクリスティ・ノーム氏。選挙戦ではトランプ氏を熱烈に応援した人です。それからCIA長官にはジョン・ラトクリフ氏。この人は、1期目の政権でもトランプ氏に仕えた側近の1人です」

鈴江キャスター
「このメンバーで、どんな政策が進められると考えますか」

国際部 富田デスク
「トランプ氏の意に沿った形で強硬な政策も打ち出されるのでは、との警戒も出ています。例えば国務長官への起用が報じられているルビオ氏は、対中国の最強硬派と言われていて、中国政府は彼個人に制裁を科して入国を禁じています。中国が出入り禁止にしている人物が外交のトップになったら、これはかなり反発も予想されます」

「また環境政策を担う環境保護局長官に指名されたゼルディン氏はこう述べました。『アメリカの自動車産業を活性化させて雇用を取り戻す』。これ環境保護には逆行する抱負ですよね。このメンバーでどんなトランプカラーを打ち出すのか、各国も戦々恐々としている状況です」

(11月13日放送『news every.』より)

最終更新日:2024年11月13日 18:51