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千葉の“小江戸”に外国人続々……舟めぐりで「ベネチアよりいいわ!」 来訪者2割増、佐原が人気のワケ『every.気になる!』

2024年9月9日 10:25
千葉の“小江戸”に外国人続々……舟めぐりで「ベネチアよりいいわ!」 来訪者2割増、佐原が人気のワケ『every.気になる!』

歴史ある商家が立ち並び、水郷の町でもある千葉・香取市の佐原地区。今、ここを訪れる外国人が増えています。目玉の1つは舟めぐりで、水上から昔ながらの町並みを楽しめます。うなぎ店など老舗のグルメも充実。外国人観光客にお目当てや印象を聞きました。

■外国人に人気…目玉は「舟めぐり」

東京から車で約1時間半のところにある、千葉・香取市。江戸時代の風情を残す佐原地区には、世界中から外国人が訪れています。タイ、フランス、スペインと国籍は多彩です。

佐原町並み交流館の高谷正弘館長
「最近はヨーロッパとかアメリカとか、遠く様々な国からも来ていて…」

同館のデータから算出すると、今年、佐原を訪れた外国人は去年に比べて約2割増加。観光の目玉は、舟めぐりです。フランスからの人は「あの舟に乗ってみたいです」、アメリカから来た人は「この美しい川で明日、舟に乗りたいと思っています」と口にします。

佐原は「水郷の町」としても知られていて、舟に乗りながら歴史ある町並みを見て回ることができます。

■景観を維持…昔ながらの町並み

古い商家や蔵などが軒を連ねる佐原地区。埼玉の川越などと並び、“小江戸”とも呼ばれています。

外国人に人気のワケは、昔ながらの町並み。フランスから来た人は「歴史的な建物が良い状態で残っているのがすばらしいです」と言います。佐原は、国から選定された「重要伝統的建造物群保存地区」。地域や自治体が協力して景観の維持に務めています。

スペインから観光に訪れた家族は「石造りと違って木造でこんなに情緒ある建物は、スペインにはありません」「伝統的でステキです。空港から近くて、立ち寄るにはピッタリです」と満足そうでした。

成田空港から佐原までは、電車と徒歩で約50分。アクセスが良いことから、到着後や帰国前に気軽に立ち寄れるといいます。

■歴史あるうなぎ店や和菓子店も

スペインから来たこの家族に佐原に来た一番の目的を聞くと、「うなぎです」という言葉が返ってきました。佐原周辺には、歴史あるうなぎ店が何軒もあります。中には、創業300年以上の店もあります。この家族は、江戸時代から続くうなぎの味を堪能していました。

築200年以上の蔵をリノベーションした店もあります。売られているのは、大学芋やさつまいもを使った団子などです。「さわら十三里屋」の八木秀子さんは「(メニューを)写真付きでローマ字で表記して、外国人の方々にわかりやすくしております」と言います。

■在住外国人の目線で情報を発信

外国人が来やすい観光地を目指している佐原。香取市では国際交流員を6年前から配置し、SNSなどで佐原の歴史や観光スポットを海外に発信しています。

香取市商工観光課の国際交流員・花田サミュエル卓也さん
「在住外国人として投稿しているので、(外国人ならではの)面白さがあって(佐原に)『行きたくなった』という人も多い」

■日本旅行25回目の女性は「旧宅」へ

こうした情報発信がきっかけで、佐原を訪れる人も増えているといいます。日本に来るのは25回目だという、台湾から来た女性もその1人。「インターネットで知ったんですが、伊能忠敬は偉大です。彼の住んでいた家に行ってみたいんです」と話します。

江戸時代に全国を歩いて測量し、初めて日本地図を完成させた伊能忠敬。佐原には、伊能忠敬が30年あまりを過ごした家が残っています。台湾からの女性は、どんな家に住んでいたのか知りたかったといいます。

佐原駅から徒歩15分の場所にある伊能忠敬旧宅(入館料無料、午前9時~午後4時半)で、女性はいつまでも家の中を見て回っていました。

■舟から眺める町並みに「トレビアン!」

こうした古い商家などが立ち並ぶ景色を川から楽しむことができるのが、舟めぐりです(小江戸さわら舟めぐり、大人1300円、小学生700円)。

初めて日本を訪れたというベルギー人家族が乗り込みました。船頭の片野聡さんが「船頭です。乗船ありがとうございます。舟めぐりは約30分です」と言い、舟を進めます。舟から眺める町並みに、家族は「アメイジング!」「トレビアン!」と大喜び。

1時間に1本しか通らない電車にも遭遇し、「アメイジング!」と声が上がります。“小江戸”佐原での船旅に興奮気味の3人。「ベネチアよりいいわ!」「We love Japan」とうれしそうでした。

(9月6日『news every.』より)