バイデン大統領が撤退表明 後継候補にハリス副大統領指名も…実際に選ばれるか不透明…米大統領選
11月のアメリカ大統領選挙で再選を目指していたバイデン大統領が21日、選挙戦からの撤退を表明しました。後継候補にはハリス副大統領を指名しましたが、実際に候補に選ばれるかは、まだ不透明な状況です。
アメリカ大統領選までおよそ3か月半の段階で、現職大統領が撤退に追い込まれる異例の状況となっています。
バイデン大統領は21日、SNSで、選挙戦からの撤退を表明しました。「再選を目指す意向だったが、残りの任期は大統領としての職務を全うすることにのみに専念することが、わが党と国にとって最善の利益であると確信する」と説明しました。
また、後継候補にハリス副大統領を指名した上で、「今こそ団結してトランプ氏を倒す時だ」と訴えました。ハリス副大統領は声明を発表し、「この指名争いに勝つつもりだ。民主党と国家を団結させトランプを倒すために全力を尽くす」と強調しました。
一方、トランプ前大統領はSNSで「バイデンは大統領に立候補する資格はなく、 大統領職に就く資格もない。彼の主治医やメディアを含む周囲の人々は皆、彼が大統領になる能力がないことを知っていて、実際にそうだった」と主張しています。
再選を目指す現職大統領が撤退するのは、1968年のジョンソン大統領以来、56年ぶりの異例の事態です。
バイデン氏に代わる後継候補については、すんなりハリス氏でまとまるかは不透明な状況です。
後継指名後、同じ民主党のクリントン元大統領と妻のヒラリー元国務長官は声明を発表し、ハリス氏を後継候補として支持することを表明しました。
しかし、党の幹部やオバマ元大統領らは、声明を発表してバイデン氏の決断を支持したものの、ハリス氏への支持を明言しませんでした。
党内からはハリス氏以外の候補を含め、オープンな形で候補者を選ぶべきとの声も出ています。候補者が乱立し党内が分裂すれば、共和党のトランプ氏を利する結果になりかねず民主党は難しい対応を迫られています。