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再び尹大統領の弾劾訴追案 与党代表も「賛成」…可決の公算大 大統領の談話発表に国民の反応は?

2024年12月13日 6:11
再び尹大統領の弾劾訴追案 与党代表も「賛成」…可決の公算大 大統領の談話発表に国民の反応は?

12日、韓国の尹錫悦大統領に対する2回目の弾劾訴追案が国会に提出されました。可決されるには与党の造反議員が8人必要な状況ですが、賛成票を投じると明言した与党議員は12日までに7人となっていて、今回は可決の公算が大きくなっています。

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「尹錫悦は退陣しろ」「退陣しろ、退陣しろ、退陣しろ」

非常戒厳を巡って大きな動きがあった12日、国会前には変わらず多くの市民が押し寄せていました。

韓国 尹錫悦大統領(12日午前10時ごろ公開)
「私は最後の瞬間まで国民の皆様と共に戦います」

12日、突然、国民に向け、談話を公開した尹錫悦大統領。訴えたのは、先週宣言した「非常戒厳」の正当性でした。

尹錫悦大統領
「今回の非常戒厳は、大韓民国の秩序と国憲を壊そうとしたのではなく、国民に亡国の危機状況を知らせ、秩序と国憲を守り、回復するためのものです。国会を解散させたり、機能を麻痺(まひ)させようとしたものではないのは自明です」

非常戒厳を宣言した理由については、“野党の悪を国民に知らせるため”だったと主張。

尹錫悦大統領
「いま野党は、私を重犯罪者に追い込み、直ちに大統領職から引きずり降ろそうとしています。巨大野党の議会独裁に対抗し、大韓民国の自由民主主義と秩序を守ろうとしたのです」

そして…

尹錫悦大統領
「この2年半、私はひたすら国民だけを見つめながら、自由民主主義を守り再建するために、民主主義を装った暴挙に立ち向かい戦いました。国民の皆様に対する私の熱い思いだけは信じてください」

その“熱い思い”を聞いた国民は…

韓国国民
「とんでもない話です。これは民主主義の根幹を破壊する独裁に近いと思う」

韓国国民
「国民をバカにしている談話だと思います。自分が犯した行動に責任をとらず、国民に転嫁する姿に憤りを感じます」

韓国国民
「(非常戒厳の)2時間が暴動ではないと考える大統領が、はたして正気なのか疑問です。独裁者だと思います」

談話を受け、最大野党の代表は…

最大野党「共に民主党」李在明代表
「大統領の今日の談話は、本当に多くの国民を絶望させました。大統領の弾劾や職務停止は、国家と国民の安全のために必ず必要であることを、自ら証明したのです」

そして与党代表から出たのは“大きな決断”。

与党「国民の力」韓東勲代表
「私は…私は…党論として弾劾に賛成しようという提案を申し上げます」

与野党、そして国民からも弾劾を求められ“四面楚歌(そか)”の状態となった尹大統領。

そんな中、12日に野党側は、戒厳以降2度目となる尹大統領の弾劾訴追案を国会に提出しました。可決のための焦点となっている与党からの造反議員ですが、可決に必要な人数は8人。12日までに7人が賛成票を投じると明言し、弾劾案が可決される公算が大きくなってきました。

現実味を帯びる弾劾案の可決に、尹大統領は…

尹錫悦大統領
「私を弾劾しても捜査しても、私はこれに堂々と立ち向かうつもりです」

真っ向から争う姿勢を見せました。

2度目の弾劾案の採決は、14日午後5時から行われる見通しです。

弾劾案が可決された場合、今後の動きはどうなるのでしょうか。

NNNソウル支局・横田明支局長
「弾劾訴追案が可決されれば、尹大統領を罷免するかどうか、憲法裁判所が180日以内に判断することになります。ただ、大統領を罷免と判断するには、かなり高いハードルがあります。というのも、判断をする裁判官の過半数が与党寄りとされていて、こうしたことから、尹大統領はまだ勝算があると判断し、徹底的に争う姿勢に転じたものとみられます」

孤立を深める尹大統領。2度目の弾劾案の結果が注目されます。

(12 月12日放送『news zero』より)

最終更新日:2024年12月13日 6:11