WHO・テドロス事務局長 安保理での“即時停戦”否決は「非常に残念だ」
WHO(=世界保健機関)のテドロス事務局長は10日、国連安全保障理事会でイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘への即時停戦を求める決議案が否決されたことについて、「非常に残念だ」と述べ、強い遺憾の意を示しました。
WHOのテドロス事務局長は10日、イスラエルとハマスの戦闘によって、ガザ地区にあった病院36か所のうち一部でも機能している施設は14か所だけになったと明らかにし、戦闘が人々の健康に「壊滅的な影響を及ぼした」と訴えました。
戦闘が始まった10月7日以降、医療機関への攻撃がガザ地区とヨルダン川西岸で449件、イスラエルでは60件、確認されていて、医療従事者は活動が不可能になり、「直接、銃撃の列に立たされている」と非難しました。
さらに、ガザ地区では人々が非常に狭いエリアへの移動を余儀なくされたため、シャワーは700人ごとに1台、トイレは150人ごとに1基しかない状況に陥っているとして、こうした状況では病気が蔓延する条件がそろってしまっていると指摘しました。
またテドロス事務局長は、国連の安全保障理事会で8日に戦闘の即時停戦を求める決議案が否決されたことについて、「非常に残念に思う」と述べ、「停戦こそが、ガザ地区の人々の健康を守る唯一の方法だ」と強く訴えました。