米国が“ロシア寄り”に…ウクライナ侵攻から3年、避難民の今「一日も早く終わることを願っている」
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ウクライナ侵攻から3年。アメリカがロシア寄りの姿勢を見せるなど、停戦交渉は重要な局面を迎えています。“自分たちのふるさとはどうなってしまうのか…”この地方に住む避難民は、危機感をつのらせていました。
2月24日の午後2時半頃、名古屋市中区。
「NO WAR、NO WAR! STOPプーチン!」
ウクライナの国旗を手に人々が行進していました。2月24日で、ロシアによるウクライナ侵攻から3年。名古屋で行われたデモには、愛知県に避難するウクライナ人など、約130人が参加しました。
平和を祈る中、参加者たちが心配しているのが、最大の後ろ盾から一変したアメリカの姿勢。
アメリカのトランプ大統領は、「そこそこ成功したコメディアンのゼレンスキー大統領。彼は選挙のない独裁者だ。もっと早く動くべきだった」など、“ロシア寄り”の発言を繰り返し、ゼレンスキー大統領を激しく批判。
かつてない厳しい立場に置かれているゼレンスキー氏は、アメリカの姿勢に対し、「ウクライナの平和のためなら、私は辞任する用意があります。辞任するのであれば、NATO加盟と引き換えることもできる」と発言しました。
この現状に、デモの参加者たちからは、
ドネツク出身の参加者:
「もちろん怖いも、不安もあるんだけど、私ここにいて何もすることができない。デモに来るくらいしかできない、みんな忘れないように」
ハルキウから避難している参加者:
「やっぱりトランプは、人のこと気にしない。経済とかお金のことだけ気にするから、トランプのウクライナ政策は本当に嫌いです。本当に失礼だと思います」
などさまざまな意見が寄せられました。
「でも…政治の話はすごく複雑だから、慎重に見守っているという形で」と話すのは、イルピンから避難している。エリザベータ・コロトコヴァさん。
3年前、単身で名古屋へ避難。当時、「日本で未来を築いていきたい」と話していました。日本で自立するため、日本語学校に通い、猛勉強。自身の日本語上達とウクライナに関心を持ってもらうため、YouTubeも始めました。
そして、去年の7月にはデザイナーとして就職。現在も、週5日フルタイムで働いています。
ようやく安定した生活が送れるようになった一方で、終わりの見えない避難生活。
エリザベータさんは、今までの避難生活について、「正直いうと長いとか短いも思わず、毎日毎日、この国に生きている意味がありました。毎日毎日、頑張ってきました」と振り返ります。続けて、「これからもどうなるか分かりませんが、一日も早く終わることを願っている」と、時折涙ぐみながら平和への思いを語りました。
ウクライナ侵攻から3年。ウクライナの厳しい現状が分かってきました。
それは、ウクライナの“兵士不足”。先月、ウクライナでは、迷彩服姿の男たちが、1人の男性を無理矢理、車に押し込んでいる映像がSNS上で拡散。真偽は不明ですが、“強制動員される様子”として投稿されていました。
実はウクライナでは、“脱走”が問題化。先月には、創設間もない部隊から約1,700人が脱走したという報道もあるほど深刻な状況だといいます。
一方、ロシアは“好景気”。その理由のひとつが、「軍事特需」だといいます。つまり、この侵略で兵器が売れて、儲かっている状況なのです。
また、戦死した兵の補償金が、入隊から1年で死亡した場合、日本円で約2500万円。その莫大なお金で、遺族が物を買い、経済が回っているといいます。
こういったことが重なり、この3年、ロシア経済は好調に。しばらく膠着状態だったウクライナ侵攻は、重大な局面を迎えています。