米バイデン政権、ウクライナへの対人地雷供与を発表 これまでの方針を大きく転換
アメリカのバイデン政権は20日、ウクライナへの対人地雷の供与を発表しました。供与に消極的だったこれまでの方針を大きく転換した形です。
対人地雷は民間人に無差別に被害を与え、戦争終結後も爆発の危険性が残ることなどから、バイデン政権はこれまで、ウクライナへの供与には消極的でしたが、ロシア軍の攻勢を受け、容認に転じました。
オースティン国防長官「供与する対人地雷は持続性がないもので、自己起爆、事後爆発をコントロールできる」
オースティン国防長官は、供与する地雷は現在ウクライナが製造するものより「はるかに安全だ」と強調し、国務省のミラー報道官も「最大2週間でバッテリーが切れるため、戦闘終了後に民間人に脅威を与えることはない」などと説明しました。
バイデン政権は大統領の任期終了が迫る中、ウクライナ軍へのてこ入れに力を入れています。
こうした中、アメリカメディアは20日、ウクライナ軍が初めてイギリス製の長距離ミサイル「ストームシャドー」を使い、ロシア領内の軍事目標を攻撃したと報じました。北朝鮮兵を戦闘に投入したことへの対抗措置だとしています。
ウクライナ軍は、これに先立ち、19日にはアメリカから供与された長距離ミサイル「ATACMS」を使い、ロシア領内への攻撃に踏み切っていました。
今回、アメリカに続き、イギリスも自国が供与した兵器での攻撃を許可した形ですが、一方で、ドイツは長距離ミサイルの供与自体をしない方針を維持していて、各国で対応が分かれています。