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W杯で「政府」「人種差別」に選手が"抗議の意思" FIFAは「サッカーに集中すべき」

2022年11月23日 0:55
W杯で「政府」「人種差別」に選手が"抗議の意思" FIFAは「サッカーに集中すべき」

カタールで開催されているサッカー・ワールドカップで、選手による政府や人種差別への抗議の意思を示す行動が注目されています。大会前、多様性を訴える「ONE LOVE」と書かれた腕章をつけて試合に出ようとするヨーロッパのチームのキャプテンらの動きもありました。しかしFIFA(=国際サッカー連盟)は「サッカーに集中するべき」と発言しています。

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■「ひざ立ち」「国歌を歌わない」  選手が“抗議”の意思を…


有働由美子キャスター
「21日のイラン対イングランドの試合ですが、試合前、イランの国歌が流れる中、イランの代表選手たちは、口を閉じて硬い表情のまま立ち続けていました。すると、今度はイングランドの選手たちが、キックオフ寸前に一斉に片ひざをつきました。いずれも"抗議の意思"を示していると見られるのですが、選手たちのこうした行動が相次いでいますよね」

小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「この試合の観客席では、イランのサポーターらが『女性 命 自由(と書かれた旗)』と抗議の声を上げていたんです」

「イランと言えば、髪を隠す"ヒジャブ"のかぶり方が不適切だとして、女性が拘束された後に死亡したことで抗議デモが続いています。イランのサポーターたちは、イラン政府への抗議の声を、あえて世界が注目する場で上げているわけです。選手らも、国歌を歌わないことで抗議の意思を示したと見られます」

「そして、イングランド代表の"片ひざをつくポーズ"は、人種差別への抗議を示すものとして、アスリートの間で広がっています。イングランドの選手らも、『今回、注目度の高い大会だから』ということで、選手同士で話し合って『やろう』ということになったそうです」

■FIFA「競技は道徳的な教訓を伝えるものではない」


有働キャスター
「年々こうしたワールドカップなどで、"選手たちがメッセージを発する場"というふうになってきていますよね」

小野解説委員
「ただ、こうした選手らの行為を認めない動きもあります」

「ヨーロッパのチームのキャプテンらは、今回、多様性を訴える『ONE LOVE』と書かれた腕章をつけて試合に出る予定だったんです。でもFIFAは、『このマークをつけた選手には警告を出す』としました。結局、何人かのキャプテンは断念して、別のマークをつけて出場することになりました」

「FIFAは『出場チームはサッカーに集中するべきだ』『サッカーという競技は道徳的な教訓を伝えるものではない』と言っているんですね」

有働キャスター
「これについてはいろんな意見があるんでしょうけど、私は『純粋に試合を楽しみたい』という人たちの気持ちも大事にして、そして試合に影響しないかたちであれば、"ポジティブなメッセージを選手が発するのを規制するというのはどうなのかな"と思うんですが、落合さんはどう考えますか?」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「信念を持ってこういう行動をしている人たちのことは非常に好きで、僕も応援しているんです」

「けれども、そうでもないところで、今の時代の一部の流行になってしまっている感じもしていて、信念がない人も含めて、信念がありそうな行動を取るし、そういう人が多くなっているというのも、僕は感じます」

「そういったときに、『こういうご時世で、注目度の高い大会だからやる』っていうことじゃなくても、実際にその行動を取ったかっていうところに少し疑問があるというのもあるかなと思います」

有働キャスター
「世界で50億人が見るとも予想されていますし、いろんな国にいろんな問題があるということを知ることができるのも、ワールドカップらしさとも言えます」

(11月22日放送『news zero』より)