【稲本潤一解説】W杯初戦は「一体感」が重要 キーマンは3大会連続選出の大黒柱
◇サッカーFIFAワールドカップカタール2022(11月20日~12月18日)
サッカー日本代表のW杯初戦となるドイツとの一戦に向け、元日本代表の稲本潤一選手(南葛SC)が勝負を分ける重要なポイントを解説しました。
稲本選手は2002年日韓W杯に出場し、グループリーグ2得点の活躍で、日本代表初の決勝トーナメント進出に大きく貢献しました。
その稲本選手が考えるW杯初戦の重要なポイントは「一体感を持って全てを出すこと」だといいます。また一体感をつくる上でキーパーソンとして挙げたのは、キャプテンの吉田麻也選手です。
稲本選手「吉田麻也選手など、(ロシア大会で)ベスト16を経験した選手もいる。吉田選手は24時間ピリッとするのではなく、空気のメリハリを作るのがうまい」吉田選手は2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会に続き、今大会も選ばれるなど、W杯3大会連続選出の大黒柱です。
チームではキャプテンとして自らの経験を後輩に伝え、強い言葉でチームを鼓舞してきました。
現在、負傷明けの選手を多く抱え、危機的状況とも言える日本代表ですが、稲本選手は「(吉田選手は)チームが沈んでいるなという雰囲気も察知していると思う。吉田麻也選手と話したりすることは貴重」と試合までの限られた時間で、チームが一体感を持つために経験者との会話が重要だと語りました。
その日本代表は17日、W杯前最後となるカナダとの強化試合を行い、1-2で敗戦。それでもチームにとって明るい材料があると言います。
稲本選手は「コンディション調整としてはうまくいった試合だと思います。ケガ人が多数いる中で、浅野拓磨選手や板倉滉選手など、苦しい時間帯を経験しないと調子が上がっていかない選手もいるので、カナダ戦を経験しているのとしていないとでは、W杯本番のパフォーマンスが100%違う」と前向きな考えを明かしました。
地理的なビハインドを負うドイツ代表
そして初戦の相手ドイツ代表は、ヨーロッパ予選で36ゴールを奪った優勝候補の一角。しかし、エースのヴェルナー選手や、代表15ゴール17アシストを誇るロイス選手がケガで代表落選しています。
さらに多くのチームがドーハを拠点にしているなか、ドイツ代表の練習場はドーハから110キロも離れた場所にあります。スタジアムへの移動も、日本代表が10分程度ですが、ドイツ代表は1時間以上もかかるといい、地理的に不利な条件を抱えています。
日本代表は初戦を勝利し、目標でもあるベスト8進出を果たすことができるのか。ドイツとの一戦は23日に行われます。