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G7が圧力かけても…プーチン大統領が“強気”なワケ 実は孤立しておらず

2022年6月28日 1:26
G7が圧力かけても…プーチン大統領が“強気”なワケ 実は孤立しておらず

2日目をむかえたG7(=主要7か国)首脳会議では、ロシアのプーチン大統領をからかうジョークも出ました。一方、プーチン大統領はG7諸国に何を言われようが、圧力をかけられようが、強気の姿勢を崩していません。そのワケとは…。

    ◇

■G7首脳会議でプーチン大統領のジョークも…本人は“強気”

有働由美子キャスター
「2009年に撮影された、プーチン大統領が上半身裸で乗馬をしている写真。2017年には、釣りをしている姿の写真も。“強い指導者像”を見せてきたプーチン大統領ですが、G7の首脳たちがこれをジョークにしました。今、ドイツで開かれている会議でこんなやりとりがありました」


イギリス・ジョンソン首相
「暑いから服を脱がないかい?プーチンよりも我々がタフだってところを見せないと」


カナダ・トルドー首相
「だったら上半身裸の乗馬姿でしょう」


有働
「“タフに見せるにはプーチン大統領みたいに上半身裸で筋肉を見せなきゃ”とからかっているわけですが、今のウクライナの状況を考えても、センスのないジョークだと思いましたけれども…」


小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「当のプーチン大統領は、G7に何を言われようが、圧力をかけられようが、強気です。この会議の数時間前、ロシア軍はウクライナの首都キーウ中心部にミサイル攻撃をしました。この前日には、ロシア軍はウクライナに62発もミサイル攻撃をしたといいます」


有働
「結局、ロシア軍の攻撃も勢いが変わらないですね」


小野
「最近の大きな動きを見ますと、東部の要衝セベロドネツクも、ロシア軍がついに完全制圧をしました。ルハンシク州のすべてを制圧する目前に来ています。プーチン大統領の側近、ショイグ国防相が、ウクライナを訪問したと発表しました。着々と駒を進めていることをアピールしています」

■“強気”のワケ 実は孤立しておらず…

小野
「プーチン大統領が強気なのは、孤立していないからです。プーチン大統領は今週、もともとソ連の一部だった中央アジアのタジキスタンとトルクメニスタンを訪問する予定です。軍事侵攻を開始して以降、外国訪問は初めてなんですが、こうやって結束を強めようと動いているわけなんです」

「プーチン大統領は先週も、ブラジル、インド、中国、南アフリカとのオンラインの首脳会議を行い、関係強化を呼びかけました。実際、ロシアと中国の関係ですが、ロシア産の原油をヨーロッパが買わない分、中国が買い支えていて、ロシアから中国への輸入を55%増やしているんです」


有働
「G7が集まって結束をアピールするタイミングで、ロシアも『しっかりつながっている国があるんだよ』とアピールしているんでしょうか」


小野
「対抗しているんです」

■“徹底抗戦”か“譲歩してでも停戦”か… G7の立場に違い

小野
「さらにプーチン大統領は、原油、天然ガスを握っている自分が強いと思っています。世界のエネルギー供給は今、不安定ですよね。ヨーロッパの中でも、先行きに不安を感じる国もあります。『ロシアに徹底抗戦すべきだ』というアメリカやイギリスのような国もあれば、『なんらかの譲歩をしてでも、早く停戦を模索すべき』というフランスやドイツのような国もあります。だから、結束は揺らいでくるかもしれません。プーチン大統領は、その状況を冷静に見ている可能性もあります」

    ◇

有働
「まだ続きそうですけれども、長引けば長引くほどロシアも、そして制裁を科している国も苦しくなっていく状況です。そして、何より忘れてはならないのは、こうしている間に、毎日、ウクライナで市民が亡くなっていることです」

(6月27日放送『news zero』より)