シリア北西部などで6日から、暫定政府の治安部隊と旧アサド政権を支持する武装集団による衝突が続いていて、シリア人権監視団は8日、これまでに民間人700人以上を含む1000人以上が死亡したと発表しました。

イギリスに拠点を置くシリア人権監視団によりますと、シリア北西部のラタキア周辺などで、シリア暫定政府の治安部隊と、去年12月に崩壊した旧アサド政権を支持する武装集団との間で衝突が起き、あわせて1000人以上が死亡したということです。このうち、女性や子どもを含む民間人は745人にのぼるとしています。

ラタキア周辺には、旧アサド政権で中心となっていたイスラム教のアラウィ派の住民が多く暮らしているため、人権監視団は「集団的な報復が行われたのではないか」と指摘しています。

シリアには多くの宗派や民族が暮らしていて、暫定政府は全ての宗派への配慮を明言して融和を図ってきましたが、今回の衝突で国内情勢の不安定さが浮き彫りとなっています。