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一連の発射は「戦術核の訓練」…北朝鮮 日本通過ミサイルは“新型”

2022年10月10日 19:48
一連の発射は「戦術核の訓練」…北朝鮮 日本通過ミサイルは“新型”

北朝鮮メディアは、約90枚の写真を公開し、9月下旬からの一連のミサイル発射が「戦術核運用部隊」の軍事訓練だったと報じました。また、日本を通過したミサイルは、新型の中長距離弾道ミサイルだったことも明らかにしました。

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金正恩(キム・ジョンウン)総書記が率いる「朝鮮労働党」の創建記念日にあたる10日、北朝鮮の労働新聞は、ここ最近頻発していたミサイルの発射に関する写真を掲載しました。

今年5月以降、ミサイル発射の様子は公開されていませんでしたが、今回公開された写真は約90枚。その中には、ミサイル発射を見守る金総書記の写真も複数確認できます。

9日のミサイル発射の様子とみられる写真では、金総書記はたばこを手に耳をふさぎ、険しい表情を見せました。同じく、隣で耳をふさいでいるのは、金総書記の妻・李雪主(リ・ソルジュ)夫人とみられる女性です。ミサイルの発射に立ち会う姿が報じられるのは、異例のことです。

9月25日以降、この日までに7回と、北朝鮮は、異例の頻度でミサイルを発射しています。今月4日には、5年ぶりに日本の上空を通過し、過去最長の飛距離だったとみられるミサイルについて、北朝鮮メディアは「新型地対地中長距離弾道ミサイル」だと明らかにしました。

発射の様子として、指示するような写真が掲載された金総書記は親指を立て、“グッドポーズ”。さらに、見つめているモニターには、日本の上空を通過するミサイルの軌道が表示されていました。

朝鮮中央テレビは一連のミサイルの発射について、「核を使う部隊の訓練だった」と報道しました。

朝鮮中央テレビ(10日午後3時ごろ)
「敵に厳重な警告を送るための朝鮮人民軍戦術核運用部隊の軍事訓練が、9月25日から10月9日まで行われました」

原子力空母「ロナルド・レーガン」を動員したアメリカと韓国の合同演習などに対する警告が目的だと説明しています。

かねてから核・ミサイル開発を加速させる方針を強調している金総書記は、今年4月、「我が国家が保有している核戦力を、最大の速度で一層強化・発展させるための措置を引き続き講じていくでしょう」と述べていました。

北朝鮮メディアによると、今回、金総書記はアメリカと韓国を批判した上で、「我々には敵と対話する内容もなく、必要性も感じない。必要な場合、相応の全ての軍事的対応措置を強力に実行していく」と述べ、さらなる軍事的行動も辞さない姿勢を示していて、緊張が高まっています。