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【解説】帰省ラッシュ「熱中症」の危険も…“渋滞時はNG”ある飲み物とは?

2022年8月12日 20:29
【解説】帰省ラッシュ「熱中症」の危険も…“渋滞時はNG”ある飲み物とは?

お盆の帰省ラッシュまっただ中ですが、旅先や移動中でも熱中症の危険があります。今回のテーマは、上手に水分を取る方法です。

「取り過ぎ…ペットボトル症候群」
「車内も要注意」
「渋滞時の飲み物は?」

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■水分補給の仕方を間違えると…「ペットボトル症候群」とは?

熱中症予防には重要な水分補給ですが、取り方を間違えてしまうと、ペットボトル症候群になるかもしれません。ペットボトル症候群とは、ジュースや炭酸飲料、スポーツドリンクなど糖分の入った清涼飲料水を大量に飲み続けることで発症する病気です。

名古屋市衛生研究所によると、患者で多いのは10代から30代の男性です。飲み物をガブガブ飲んでしまう人が多いからだそうです。

ペットボトル症候群の症状には糖尿病と同じ「けん怠感」「イライラ感」「のどが渇きやすい」といったものがあります。重症になると、意識がもうろうとして、脳に酸素が行き届かなくなり、死亡に至るおそれもあります。

■「ペットボトル症候群」の目安とは? 医師に聞く

この時期あえて、スポーツドリンクを選ぶ人も多いかと思いますが、ポイントは糖分です。一般的なスポーツドリンクでも、500㎖に角砂糖約8個~12個分の糖分が入っています。

こうした糖分を含む飲み物をどのくらい飲んだら、危険なのでしょうか。健康管理に詳しい、産業医の池井佑丞氏によると、炭酸飲料なども含めると、清涼飲料水は10%程度の糖分が含まれています。

体型や体質にもよりますが、1日1.5ℓ以上、1か月以上飲み続けると、リスクが上がるとされています。つまり、ペットボトル500㎖で換算すると、3本ぐらい飲んでしまう日もあるかもしれません。それを毎日続けるのは、良くないということです。

さらにペットボトルに限った話ではありません。例えば、缶コーヒーでいうと、200㎖くらいの小さな缶でも10%よりも多く糖分が入っている物もあるため、気をつけなければいけません。

では、どうしたらリスクを減らせるのでしょうか。池井先生によると、「500㎖の清涼飲料水は1日1本」など目安を決めるといいということです。

「スポーツドリンクには糖分が入っているから」と我慢して、熱中症になってしまったら、本末転倒です。目安を決めて、上手に水分を取ることが大切です。

■熱中症「〇×クイズ」 運転中のドライバーは熱中症にならない?

では、続いてはクイズです。

「車内のエアコンをつけていれば、熱中症にならない」〇か、×か?

答えは×です。エアコンはついていても、熱中症のおそれがあります。もちろん、日差しが車の中に入ります。

また、前か後ろか、座席特有のリスクがあります。まず、運転席はサイドガラスだけでなく、フロントガラスからも日光が当たるので、体温が上昇しやすくなります。また、運転に集中して、水分補給を忘れがちですし、脱水のサインに気づかないこともあって、危険なのです。

そして、後部座席には、エアコンの風が届きにくい場合もあります。特にチャイルドシートに座っている赤ちゃんは、寝ているからと安心しないで、気にかけてあげてください。

このように移動中の車内でも、熱中症のリスクがあるため、こまめな水分補給が必要なわけです。

■“渋滞時はNG” その飲み物とは?

続いてのクイズです。渋滞の高速道路で、子どもが何かを訴えています。それを聞いて、困っているお父さんとお母さんです。

では、渋滞している時、子どもに言われて困るありがちなこと。その言葉は何でしょうか?

正解は「トイレ行きたい」です。

しかし、こうなりたくないからと、水分を我慢するのは厳禁です。お盆の渋滞を覚悟して、移動する際に何を飲んだらいいのでしょうか。池井先生に聞きました。

池井先生によると、NGな飲み物はコーヒーです。運転する人は眠くならないようにと、コーヒーを飲みがちです。カフェインには利尿作用があるので、飲み過ぎたらトイレに行きたくなるし、水分が出るので、熱中症予防としても良くないということでした。

池井先生のおすすめは、麦茶です。カフェインも入っていないので、熱中症対策にもなります。ちなみに糖分もないので、ペットボトル症候群になる心配もないということです。

まだまだ暑い日が続きますし、出かける機会も多い夏休みです。シーンや状況に合わせた水分の取り方を心がけて行きましょう。

(2022年8月12日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)