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【解説】受診控える“新基準” 4学会が公表 医療現場の負担減へ

2022年8月4日 21:44
【解説】受診控える“新基準” 4学会が公表 医療現場の負担減へ

新型コロナウイルス感染拡大が続いています。感染者の急増で、「医療機関の予約がとれない」「そもそも電話すらつながらない」という状況が増えています。自宅療養でのセルフケアについて、医師に聞きました。自宅でセルフケアせざるを得なくなったとき、どうすればいいのでしょうか。

・1日で約25万人
・発熱外来「つながらない…」
・「コロナかな?」と思ったら

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■2時間で電話400回 発熱外来“つながらず”

3日、全国の新型コロナの新規感染者は初めて24万人を超え、169人が死亡したと報告されました。地域別では、24道府県で過去最多となりました。

そして、感染者の急増とともに、自宅療養者の人数も増加しています。東京都の自宅療養者は、3日時点で19万4285人。多くても9万人台の第6波を、はるかに上回っています。

千葉県に住む20代の女性は先週、39℃くらいの発熱など、新型コロナ感染が疑われる症状が出たため、検査を受けようとしたそうです。車がないため、自宅から徒歩で行ける範囲にある2つの発熱外来に予約を取ろうとしました。2時間で400回電話をかけ続けましたが、つながらなかったということです。女性は結局、病院には行けず、自宅療養を続けて回復したそうです。

この女性のように「発熱外来の電話がつながらない」、「医療機関で検査したくても、予約が埋まっていて、できない」といった状況が起きているそうです。

民間の検査場では、基本的にすでに症状が出ている人や、濃厚接触者は受け付けていません。病院にも行けず、検査もできないのは、それだけ医療現場がひっ迫していることの裏返しともいえます。

■「症状が軽い場合は受診を控えて」 4学会が呼びかけ

こうした中、医療現場の負担を減らすため、日本感染症学会など4学会が、新たな判断基準を示しました。もし自分が「感染したかもしれない」と思った時、どうすればいいのでしょうか。

発熱、のどの痛みなどの新型コロナ感染が疑われる症状が出た場合、まず仕事や学校を休んで、自宅療養を始めてほしいということです。その上で、次のポイントを確認してほしいといいます。

・「水が飲めない」「呼吸が苦しい」など重い症状がないか
・発熱が4日以上続くかどうか
・65歳以上
・基礎疾患あり
・妊娠中

これら項目のどれにも当てはまらない場合は、市販薬や抗原検査キットを使用し、市販薬、抗原検査キットを使用し、自宅療養を続けてほしいということです。「受診を控えることで、その分、重症化リスクがある人が受診できるようにしてほしい」と4学会は呼びかけて逆に、項目に1つでも当てはまる場合、医療機関を受診してほしいということです。

■自宅療養になったら… 2つの注意点

では、自宅療養の際、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。感染症・呼吸器疾患が専門の加藤哲朗医師に聞きました。

自宅療養中に気をつけるべきことは、大きく分けて2つあります。

1.体内の酸素濃度が低下していないかどうか

見極めるためには、唇が紫色になっていないかどうか、呼吸回数が多くかを確認します。呼吸回数が多くなっているというのは、「ハーハー」と何度も息をしないと息苦しいような状態だということです。

2.体内の酸素濃度が低下していないかどうか

ボーッとしている、呼びかけに対して反応が鈍い場合、意識がぼんやりしているときのことです

この2つのいずれかに当てはまる場合は、自宅療養を切り上げて、すぐに受診してほしいということです。また、喉が痛くて食事が取れないケースも多いため、あらかじめ喉を通りやすい食べ物・飲み物を用意しておきます。また、解熱鎮痛剤などをあらかじめ買っておくと良いです。

さらに、一人暮らしの人の場合、体調が急変した時にすぐに連絡が取れるように、自宅療養していることを家族、友人、職場の人などにあらかじめ知らせておくと、イザという時に安心です。

■“医療機関の負担軽減へ” 東京都が新たな仕組み

さらに東京都も、医療機関の負担を減らすための取り組みを開始しました。まずは今月1日から、20代を対象として、発熱などの症状がある場合、申請すれば抗原検査キットを送ってもらえるというものです。

そして、3日からは新たな陽性者登録の方法もできました。これまでは診断した医療機関が保健所に陽性者を届け出る仕組みでしたが、新たに開設された「東京都陽性者登録センター」に対して、自分でオンライン申請することが可能となりました。これを医師が確認した上で、保健所に届け出される仕組みです。初日は約1000人の申請があったということです。

     ◇

新型コロナ感染が疑われる症状が出た際、それが緊急を要するのかどうか、素人では難しい判断をするために本来、医師の診察があるわけですが、それが簡単に受診できなくなっていること自体、異常なことです。自宅療養による犠牲者が増えないよう抜本的な対策が求められています。

(2022年8月4日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)


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