前向きな挑戦で充実「セカンドライフ」 世界最高齢サーファーや平均年齢73歳のケーキ職人も
18日は敬老の日。高齢となり定年退職したあとにも、新たな趣味や仕事に、意欲的に取り組む人を取材しました。80歳からサーフィンを始めた男性は、90歳を目前に“新たな技”に挑戦しました。
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1933年、昭和8年生まれの佐野誠一さん、89歳。今週、御年90歳となる佐野さんの“驚きの趣味”は、サーフィンです。始めたのは80歳のときです。「世界最高齢サーファー」として去年、ギネス世界記録にも認定されました。
そんな90歳目前の佐野さんが、18日に「新たな技」に挑戦しました。
今週90歳になる佐野誠一さん
「胸がバクバクしています」
それが、サーフボードの上での片足立ちです。何度も果敢に挑戦しますが、不安定なボードの上でバランスをとるのは難しく、この日はまだうまくはできませんでした。
佐野誠一さん
「これから自分の課題」
佐野さんは、サーフィンを始めて「年齢を気にしなくなった」といいます。
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青森県弘前市には、定年退職後に夢中になれることを見つけた人がいました。元弘前市職員の佐藤光麿さん、66歳です。佐藤さんは退職金2000万円と自分の貯金100万円を費やし、昔、忍者の詰め所だったという「忍者屋敷」を購入しました。
「忍者屋敷ツアー」でこの忍者屋敷を案内する忍者姿の佐藤さん。敵の忍者が踏むと音が鳴る床を踏むと…
佐藤光麿さん(66)
「(敵の忍者は)しまった!と思うんです。しまった! まずいまずい!!」
この忍者屋敷は江戸時代後期からあったとみられ、買い手が見つからず存続の危機にあったといいます。退職金を全額使い果たし購入したことについて佐藤さんは…
佐藤光麿さん(66)
「『清水寺から飛び降りたんですね』とは言われました。お客さんが『面白かった』と言うのが、一番元気が出ることです」
“第二の人生の生きがい”になっていると話していました。
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東京・中目黒の店に並ぶのは、45年前の創業以来変わらぬ素朴な味わいのチーズケーキです。
お客さん
「濃厚ですね」
「ナチュラルっていう味」
チーズケーキを焼いているのは“7人のケーキ職人”です。全員65歳以上で平均年齢は73歳。退職後の第二の人生、セカンドライフとしてケーキ作りの道へ飛び込みました。最高齢は84歳の小林隆吉さんと高野袈裟松さんです。
ヨハン 小林隆吉さん(84)
「うまくできたときはよかったなって」
小林さんは60歳で製造業の会社を退職後、ケーキ職人になりました。お菓子どころか、料理もほとんどしたことはなかったといいますが、会社の先輩が定年退職後に立ち上げたこの店に、自分も仲間入りすることを決意。
ヨハン 小林隆吉さん(84)
「人のためになれるっていうのが一番全うできること」
一緒に働く女性スタッフ
「皆さんキャリア積んでいらして、立派に退職しているので私たちも学ぶこと多いです」
前向きに挑戦し続けることで充実するセカンドライフ。新たなことを始めるのに、年齢制限はありません。