108歳! 世界最高齢の現役理容師が栃木に ギネス世界記録に認定
3月5日、世界最高齢の現役理容師として栃木県・那珂川町に住む箱石シツイさんがギネス世界記録に認定されました。御年108歳。大正生まれの箱石さんから学ぶ人生の生き方を取材しました。
自宅の居間でゆっくりとした手つきで白衣に着替えるおばあちゃん。ここは「理容ハコイシ」。箱石シツイさんの自宅兼理容室です。
長年、立ち仕事を続けてきた両足をいたわりながら居間の隣にある仕事場へ。
お客さん
「椅子がすごく立派ですね。昔のですね」
シツイさんが取り出したのは年季が入ったバリカンやはさみ。この道90年の歴史を感じます。この日はギネス世界記録に認定されてから初めてお客さんが来店しました。
お客さん
「ニュースを拝見いたしまして、シツイさんのヘアカットを体験させていただきたいなということで伺いました」
このお客さんは90年分の経験に触れたいと、時間を合わせて店を訪れました。
シツイさんは1916年に栃木県で生まれました。そして今から89年前の19歳の時に理容師免許を取得。その後、1953年に栃木で理容室を開業しました。
昭和・平成・令和の時代を駆け抜けたその功績から、東京オリンピックの聖火ランナーも務めました。今では足の痛さを感じるそうですが、来店するお客さんのために鏡の前に立ち続けています。
今は予約が入ったときや顔なじみの近所の方たちが訪れたときにお店に立つということです。
開業から70年以上、1人でお店の切り盛りをしてきたシツイさんに息子の英政さんは…
箱石シツイさんの長男 英政さん
「ボケも入って来てるんで、対応が難しい場面もあります。横道にそれずに一本道を通したということは立派だと母ながら思います」
不思議なことにお客さんを相手にしているシツイさんは普段より元気になっていると英政さんは言います。
箱石シツイさん
「(本来なら)10分も掛からないでできるんですけどね。こういう頭ならね。だけど駄目。こんなに震えちゃって」
それでもお客さんは…
お客さん
「しっかりカットしていただいて最高です」
そんなシツイさんがお店に立ち続ける理由は。
箱石シツイさん
「『箱石さんのように長生きしようと思うから見に来たんだよ』という方がいっぱいいるんです。男性も女性も」
自分を求めてくれるお客さんがいるから、今がある。箱石さんは108歳を迎えてもなお、先を見つめて進み続けています。
箱石シツイさん
「足の痛いのを一生懸命自分で努力して治して、働きながら生きていきたいと思いますね」
(4月3日放送『Oha!4 NEWS LIVE』より)