まだ使えるのにもったいない! 「空き家」使って環境も地域も守る自治体が行う“空き家マッチング事業”とは?
全国各地で問題となっている「空き家」。老朽化による倒壊や不審火、犯罪の拠点にされるなど、環境や地域住民に様々な影響を及ぼします。年々増える空き家を解消するため、東京・江戸川区では、空き家の所有者と空き家を活用したい人をつなげるマッチング事業を行っています。そこで、実際にマッチング事業を利用して空き家を活用している施設を、弘竜太郎アナウンサーが取材してきました。
◇
やってきたのは東京・江戸川区にある「江戸川ベースnappa」。こちらはおよそ3年もの間、空き家だった一軒家でしたが、現在はどのように再利用されているのでしょうか。
江戸川ベースnappa所長 内藤郁代さん
「“みんなのおうち”ってことをコンセプトに、この場所を作った」
地域の誰もが安心して立ち寄れる“第3の居場所”として、子ども食堂や学習のサポート、シニアの方々の集会の場など様々な場面で利用されていました。取材した日は、お昼から地域の方々で賑わっていました。江戸川ベースnappaの魅力を聞くと…
江戸川ベースnappa 利用者
「親戚の家にちょっと寄ろうかな…という感じ」
弘竜太郎アナ
「こういう場所が、もっともっと増えていってほしいですよね」
高齢者や足の不自由な方にとって、家の近くで気兼ねなく過ごせる場所があるのは貴重だといいます。夕方になると、授業を終えた子どもたちが続々とやってきました。子どもたちは卓球やお絵かきなどをして遊んだり、宿題をしたりと自由に過ごします。
さらに、子どもたちが楽しんで英語を身につけられるように…と、元英語教師だったスタッフによるレッスンも行われていました。子どもたちにとって、この場所はどのような存在なのでしょうか。
地元の小学生
「楽しいところが落ち着く。木でできている建物とかが楽しい」
昔ながらの一軒家を再利用することで、アットホームな空間を生みだしています。さらに、広い庭を活用したこの場所ならではの魅力もありました。
江戸川ベースnappa現場責任者 加藤留美子さん
「お野菜とかを植えて、なったら採ってそれを食べる。成長を見守りながら楽しみにしている」
庭に植えられた何種類もの野菜や花の苗。子どもたちにとって、育てたものを食べる経験も学びにつながるといいます。
江戸川ベースnappa所長 内藤郁代さん
「子どもたちと農園とかやっているのも、SDGsに関わってくる。自分たちで作ったものを利用した施設にしたいな」
使われることなく空き家となっていた場所は、地域の方々の交流の場になると同時に、環境への好循環が生まれていました。