18年間親しまれた菜の花の名所 油を搾る最後の作業に密着 秋田県大仙市
18年間親しまれ、惜しまれながらも今年で最後を迎えた菜の花畑が大仙市にありました。
12日は、その菜の花の種から油を搾る最後の作業が行われました。
先月中旬に花を刈り取り、乾燥させた菜種。
その量は、全部で約1.3トン。
大仙市協和の旧小種小学校だった場所で、菜種を搾り、油を取り出す作業が行われました。
その事業の中心、佐藤誠さんは、地区で18年間菜の花を育て、菜種油の生産につなげてきました。
約10ヘクタールに広がる、菜の花畑。
化学肥料と農薬を使わず、有機栽培で育ててきました。
ここでは元々、野菜や果物が育てられていたといいます。
担い手が減り、耕作放棄地が増えていくのをみた佐藤さんは、花を見られる場所にしようと、菜の花を植え始めました。
多くの見物客が訪れる名所に育ててきましたが、それも今年で終わりです。
佐藤誠さん
「なんか惜しい面もあるんだけども、やっぱり皆さん(従業員)がやっぱり高齢化になって、だからもう、思い切って今年でやめようかなってみんなで相談して」
約2週間続いてきた油を搾る作業も、12日で終わりです。
食用の菜種油として、道の駅協和やかみおかで販売されるほか、大仙市のふるさと納税の返礼品として取り扱われることになっています。
佐藤さんとともに菜種油の生産に携わってきた地域の人たちも、名残を惜しみます。
78歳という年齢から、事業を終えることを決断した佐藤さん。
佐藤さん
「この味を忘れないで、小種にもこういうのあったなって思ってもらって。それでいいじゃないですか」
18年、地域のことを思って育ててきた菜の花と、そこから取り出す菜種油。
佐藤さんは、菜の花畑だった場所が耕作放棄地に戻らないよう、近くにある農業法人に土地を引き継いでもらえないか相談しているということです。