【大雨からの復旧】上小阿仁村では専門家が現地調査 流木が被害拡大か
堤防の決壊や河川の氾濫で、住宅や田畑に被害が出ている上小阿仁村では、専門家による現地調査が行われました。
専門家は、九州並みの大雨になったことに加え、橋の欄干に引っかかった流木が被害を拡大させた可能性があると指摘しています。
専門家による現地調査が行われたのは、上小阿仁村の仏社地区です。
先週の大雨で、地区を流れる仏社川があふれ、橋が流されたほか、住宅が浸水する被害が確認されています。
現地調査を行ったのは、河川工学を専門とする秋田大学の渡邉一也准教授です。
渡邉准教授
「九州並みに(雨が)降るようになってしまったので、元々そんなに流せるような量ではなかったのが倍以上降るということであふれやすくなったと」
調査では、残された痕跡から、氾濫当時の水位や水の流れた方向・範囲を調べますが、渡邉准教授が着目しているのは、流木による被害です。
おととしの大雨でも氾濫した仏社川。
当時も橋の欄干に引っかかった流木が川の流れをせき止め、あふれた水の勢いで、周辺の道路が削られたり住宅が浸水したりする被害が発生しました。
渡邉准教授
「流木の数が最近どこの河川もそうなんですが増えたなと、実験でも流木が河川につまることによって4割くらいあがるという例もあるので、そういったものの対策として流木の管理というものがこれから重要になってくる」
激甚化する水害。
2019年の台風19号では、浸水想定区域図が整備されていない中小河川でも被害が多発したことから、法律が改正され、対策が進められています。
県内には、県が管理する342の中小河川があり、浸水想定区域図の整備が進められています。
これまで、77の河川で浸水想定区域図が完成し、公表されています。
県は、今後も順次作成・公表して、水害リスクについて県民に周知を図っていきたい考えです。