収穫最盛期のサクランボ ネコの手も借りたい中…市役所職員が"副業"でお手伝い 秋田県湯沢市
収穫が最盛期を迎えている湯沢市のサクランボは、気温の高い日が続き、実の成熟が一気に進んだため、収穫が追い付かず、傷んだ実が出始めています。
機械化が難しく、人手が頼りの収穫作業。
農家の人手不足を補おうと、湯沢市の職員が早朝から手伝っています。
真っ赤に実ったサクランボの収穫が最盛期を迎えている、湯沢市の三関地区です。
95アールで約250本のサクランボを栽培する農家の水戸義昭さんは、20人ほどのスタッフと共に、連日、収穫作業に追われています。
40年以上サクランボの栽培に携わってきた水戸さん。
今年の実の生育状況は、これまで経験がないと言います。
今月中旬から気温の高い日が続き、サクランボの成熟が一気に進んだため、収穫が追い付かず、傷みだした実もあるといいます。
さらに、影響は、実の大きさを選別する作業にも及んでいます。
サクランボ農家 水戸義昭さん
「普段は選果機でやっているんですけど、今年は柔らかいのが多くて、その場合は人が手で仕分け。本当、ネコの手も借りたいというのがそこなんですよね」
収穫できた実の3割ほどが選別機や輸送の振動に耐えられない規格外の柔らかさ。
ここにも人手が必要です。
そんな水戸さんのサクランボ園に午前5時、2人の男性が訪れました。
出勤前の湯沢市の職員です。
公務員は原則として副業が禁じられていますが、湯沢市は去年から人手の確保が課題となっている1次産業などに限って、職員が副業をできるようにしています。
24日は、午前7時までの2時間、収穫作業にあたりました。
湯沢市 財政課 高橋竜矢さん
「湯沢市を代表する産業のひとつですので、こういった形で携われることは光栄ですし、朝は強い方なので、朝から体を動かして汗をかくのはすごい気持ちいいです」
湯沢市 都市計画課 門脇敏寛さん
「実家が農業をやっていますので、手伝ったりしています。サクランボは手作業の部分が大変多いので、園主さんの助けになればなと思ってやっております」
主力品種の佐藤錦に加え、先週後半からは晩生の品種、紅秀峰の摘み取りも始まった、三関地区のサクランボ。
今月はわずか1日しか休みをとれていないという水戸さんも、喜びを隠せません。
水戸さん
「人がいないことには何もできないっていうことなので、本当に助かっています」
副業制度を活用して、サクランボの収穫作業にあたっている湯沢市の職員は22人。
気候に左右され、難しい対応を迫られる農家を、市の職員も支えています。