野菜くずを“ほらへん” スーパーがリサイクルセンターを開設 青果の焼却処分を大幅に削減「ぎゅーとら」
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物流センター内に設置されたリサイクルセンターは「食品発酵分解装置」を備え、青果部門で野菜や果物をカットした際に残る未使用部分を発酵させて堆肥化します。「ほらへん」は伊勢の方言で「捨てない」の意味で、資源の有効利用を進めていく姿勢を表しているといいます。
ぎゅーとらでは、青果を店頭に並べる際に残る未使用部分について、全28店舗のうち17店で外部業者に委託して堆肥などにしています。一方、名張や伊勢、南伊勢町、鳥羽・志摩地区の残り11店では、月間に排出される約11トン分を外部施設で焼却処分していました。
しかし、「ほらへん」の新設後は、商品配送を終えた車がこれまで焼却処分をしていた11店から未使用部分を回収し、リサイクルセンターに導入された食品発酵分解装置に投入し発酵を進めます。
担当者によると、体積は約1週間で20分の1になるほか、焼却処分で発生していた二酸化炭素(CO2)の削減にもつながるということです。
発酵し堆肥となった未使用部分は、20人で構成される契約農家「ぎゅーとら農援隊」の一人である辻井一郎さん(伊勢市)の元に届けられます。今のところ、辻井さんだけが有料で引き取っていますが、今後は他の農援隊も引き取り手に加わる予定だといいます。
農家側としても、1反(約1000平方メートル)につき約8万円を要していたのが、1万円未満となる見込みで、必要な肥料にかかるコストも抑えられます。
この堆肥について、辻井さんは「土そのものがやわらかくなり、水はけが良くなった」といいます。
担当者は「青果の未使用部分からできた堆肥で育てた野菜を、ぎゅーとらの名物にしていきたい」と話しています。
現在、第1号としてダイコンの育成が進められ、5月ごろの店頭での発売を目指しています。