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てぃ先生絶賛「ここを超えられる気がしないから保育園は作りたくない!」 “日本一の保育園” に潜入!遊びも給食も決めるのはすべて子どもたち!“信じて見守る”保育で自主性を伸ばす

2024年10月8日 13:30
てぃ先生絶賛「ここを超えられる気がしないから保育園は作りたくない!」  “日本一の保育園” に潜入!遊びも給食も決めるのはすべて子どもたち!“信じて見守る”保育で自主性を伸ばす

中京テレビ「キャッチ!」が、てぃ先生と向かったのは、東京都世田谷区にある保育園『RISSHO KID'S きらり岡本』。「よく“てぃ先生は保育園つくらないんですか?”と言われるんですけど、この保育園があることが、自分が保育園を作らない理由なんです」「ここを超えられる気がしないからつくりたくない」と、『RISSHO KID'S きらり岡本』への思いを明かしたてぃ先生。
数多くの保育園を見てきたてぃ先生が、“超えられない”と評する保育園とは、一体どんな園なのでしょうか?中京テレビアナウンサー・望月杏夏がてぃ先生と共に潜入しました。

1日の過ごし方を決めるのは“子どもたち”

「子ども主体の保育、子ども一人一人に丁寧に耳を傾けること。それを体現している部分が、“日本一”だと思っています」と、てぃ先生が語った『RISSHO KID'S きらり岡本』。

5歳児クラス「オリオン組」をのぞいてみると、子どもたちが何やら集まって話し合っていました。「今日、オリオンさんでどんなことをしてみたいですか?」「汽車ぽっぽ公園で遊具で遊びたい」と、“子どもたちだけ”で会話を続けます。

「今は『朝のお集まり』をしています」と状況を説明してくれたのは、5歳児クラス主任の西山凌二郎先生。「(今は)朝の行き場所を決めようとしている段階です。自分の中で今日は何して遊ぼうかなとか、どういう所に行きたいか出し合って、一日の過ごし方を決めていきます」と話します。

実は『RISSHO KID'S きらり岡本』では、その日に“何をして過ごすか?”を子どもたちが話し合って決定。「先生の役割としては信じて見守ること」と、西山先生は子どもたちの様子を笑顔で見守ります。

「さやちゃんの目標がいいと思った人は?」という司会役の子どもたちの質問に、挙手で答える子どもたち。積極的に話し合いを行う子どもたちの様子に、てぃ先生は「大人主体ですすめた方が早いし、効率もいいから(大人が)やりがちですが、本来、保育のなかで大切にすることは、この状態。自分で考えたことを、どうやったら実行できるのかを考えること」と話します。

「朝のお集まり」で、この日は公園に行くことを決めた子どもたち。『RISSHO KID'S きらり岡本』では、ほぼ毎日子どもたちの行きたいところへ出かけているといいます。

社会と繋がり、“本物”にふれる

自分たちで選んだ公園で遊んだ後、園に戻った子どもたちは、それぞれ“好きな場所”へ。ここにも、てぃ先生的“日本一”のポイントが詰まっていました。

朝、「朝のお集まり」を行っていた場所では、ステージでアイドルになりきった子どもたちが歌を披露。ステージは子どもたち自身が、木を切り、ペンキを塗って手作りしたもの。5歳児クラス担任・鈴木優先生は、「この子たちはアイドルがすごく好きで。去年から継続して、踊ったり表現したりを楽しんできたんですけど、それがさらにレベルアップして」と笑顔で話します。

ステージの近くには、子どもたちが作った“ギター”も!「私がもともと趣味でバンドをしていて、音楽って楽しいんだよというのを伝えたくて。子どもたちも私のギターにあわせて、エアギターをしはじめて...」と、手作りのギターが置かれている理由を教えてくれた鈴木先生。

鈴木先生によると、手作りのギターを作るなかで、子どもたちがある日、楽器屋さんに行きたいと言い出したそう。「実際に楽器屋さんに遊びに行って、どうやったら本物の楽器になりますか?と聞きに行って、アドバイスをもらいました」と、子どもたちと一緒に楽器屋に行ったことを明かしました。

「本物に触れる機会を社会にいただく。これが本来の保育園が、社会とつながる意味の一つだと思います」と、保育と社会の関係性に語るてぃ先生。行った先で、受けた刺激を遊びのなかで突き詰める。『RISSHO KID'S きらり岡本』の先生たちは、それを最大限サポートしているのです。

各々がやりたいことに取り組む子どもたちの姿を見て、てぃ先生は「大人がやってあげるという発想ではなくて、子どもがやりたくなるような。お手伝いをするくらいの感覚の方が、家庭でもうまくいくんじゃないかな」と話し、続けて「やってあげたい気持ちが前に出やすいけど、子どもの成長を信じて待つ」と、見守る保育の大切さを語りました。

給食はバイキング形式「自分たちで食べる量を決める」

自分たちで過ごし方を決めるのは、遊びのときだけではありません。『RISSHO KID'S きらり岡本』の給食はバイキング形式。

主任・石田千尋先生曰く、「子どもたちが自分達の食べる量を決めて、配膳できるようにしている」という給食。珍しい配膳方法について、てぃ先生は「大人がこれだけ食べなさいと選ぶより、子どもが選んだ方が食べてくれる」と自身の経験を振り返りました。

こうした保育スタイルは、0歳児クラスから始まっていました。「あえて(室内を)区切っていて、0歳児でも自分の生活リズムで生活できるように、食事・遊び・睡眠のスペースで空間を分けている」と話す石田先生。

全員で一斉にごはんを食べたり、遊んだりするのではなく、一人一人の生活リズムにあわせて過ごせるように部屋を仕切っているのです。

子どもたちがのびのびと過ごせる工夫に満ちた保育園。5歳児クラスでは、一日の最後を締めくくる「帰りのお集まり」が行われていました。朝と同じく、「けがをしないように気をつけることができた人は?」「できたことあった?」など司会役の子どもたちが質問。

その問いかけに対して、子どもたちは「1回だけ転んだけどそれ以外は転ばなかったから」など“できたこと”を答えていきます。その日一日の成長を、自分で振り返ることができる「帰りのお集まり」。同園では、一人一人の興味に合わせて、自主性を伸ばしていました。

潜入を終え、「保育士から、“これやりなさい”の指示がひとつもなかったですね」と保育姿勢を振り返ったてぃ先生。その理由について、石田先生は「子どもたちの“何々がしたい”という気持ちがすごい原動力になると信じている」と明かし、「(保育士は)パートナーとして子どもたちを支えられる存在。一緒にとことん楽しめる存在であれたらいいなと思ってます」と保育士としての思いを語りました。

本当に大切な“保育の中身”を考える

“すべて子どもが決める”ことを通して、子ども主体の保育に取り組む『RISSHO KID'S きらり岡本』。なぜ、現在の保育スタイルになったのでしょうか?

2012年、設立当初はテナント型保育園だった『RISSHO KID'S きらり』。都市型で園庭がなかったため、“街”を園庭の代わりとして、街の色々な場所に出かけるようになったそう。そのとき、子どもたちの興味を持つ姿が予想以上だったため、当時の保育スタイルを現在も継承しているといいます。

認可保育園のため、『RISSHO KID'S きらり岡本』の保育料は一般的な園と同じ。しかし、同園のような保育スタイルは“一般的”ではないのが現状です。こういった園が増えていくには、どのような変化が必要なのでしょうか。

てぃ先生は、「“保育園選び”というと、英会話や体操ができるかなど、高スペックを親御さんたちも求めがち。しかし、本当に大切な保育の中身ってなんだろうなって考えて、保護者側も選んでいただけると、こういう保育園も増えていくんじゃないかと思います」と、保護者の選択も変化の力になることを述べました。

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