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期間限定!廃トンネルの先は“萌黄色の絶景”、明治時代の廃線を散策

2024年5月8日 19:01
期間限定!廃トンネルの先は“萌黄色の絶景”、明治時代の廃線を散策

春と秋を合わせて、1年のなかで“2週間だけ”散策できる線路跡。レンガのトンネルを抜けた先には、青々としたモミジと空を泳ぐ鯉のぼりが織りなす、“春の絶景”が広がっていました。

「愛岐トンネル群」が期間限定で一般公開

愛知県春日井市の山の中、5月2日(木)午前10時に続々と集まってきた人々。訪れた目的について尋ねると、「緑とレンガのグラーデションがいいなと思って」、「すごく珍しいものですし、地元にこういった貴重なものがあるので、家族でみんなで来たいなと思って来ました」と、中京テレビ「キャッチ!」のカメラに笑顔で答えます。

集まった人々のお目当ては、5月2日から春の特別公開が始まった、旧国鉄中央線の「愛岐トンネル群」。今から120年ほど前に、名古屋・多治見間が開通した中央線のトンネル群で、明治時代には、中部地方の経済発展の大動脈として役割を果たしてきました。

現在は、国の登録有形文化財に指定されており、普段は一般公開されていないトンネルですが、春と秋の合わせて2週間だけは、約1.7㎞の線路跡を散策できるのです。

トンネル内ではSLが汽笛を鳴らして走り抜ける音の演出もあり、臨場感たっぷり。赤レンガは茶色へと色あせ、こびりついた蒸気機関車のすすが、歴史を感じさせます。

200本以上の青モミジが織りなす“春の絶景”

人気の理由は、歴史ある4つのトンネルだけではなく、庄内川沿いに広がる200本以上のモミジ。今では知る人ぞ知る、観光スポットになった愛岐トンネル群ですが、1966年に廃線となった後、40年以上茂ったやぶの中に埋もれ、忘れ去られていました。放置されていたトンネルを、地元のボランティアが整備。

夏には外気よりも10℃以上涼しいトンネル内でビアホールを実施したり、秋には紅葉を楽しむ一般公開を実施するまでになりました。担当者によると、秋の一般公開では1日8,000人以上が訪れるそう。

春の一般公開は、これまでGW前半に行ってきましたが、今年から「こどもの日」に合わせて後半で実施することに。萌黄色のモミジのなか、約80匹のこいのぼりが青空を泳ぎます。廃トンネルとモミジが織りなす絶景を求めて、多いときは1日3,000人以上が訪れることもあるそう。

来園者のなかには、80年ほど前にこの線路を走るSLに乗ったことがあるという女性の姿も。女性は、「母とかおじさんとも乗ったことある。すごいなつかしい」と当時を振り返りながら、「ちっちゃな汽車が走っていたんだなと思って。その頃はすごく汽車って大きいと思って見てたのに」と語りました。

「愛岐トンネル群」の春の一般公開は5月6日までで終了しましたが、担当者によると、5月3日には、3700人を超える入場者数を記録したそうです。

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