地元のカフェと菊里高がコラボ 高校生の間食におにぎりのススメ 名古屋市千種区
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生徒たちの切実な願望をもとに、名古屋市千種区の「TOMOCAFFE(トモカフェ)」と同じ区内にある菊里高校の生徒が協力。特製のおにぎりを開発し、商品化にこぎ着けました。菊里高では、生徒と企業との連携は初の試みといいます。
このプロジェクトに参加した菊里高生は2年生の4人。授業の「総合的な探究の時間」で、「星ケ丘の街でヒットするお店や商品とは」「手軽に食べられる軽食の栄養面」「広報活動や販促物によるPRなどの効果」といったテーマを探究していました。
トモカフェを運営する早川友子さんも近隣にある菊里高への貢献を、次女が卒業生だから、という動機で模索していました。そのような折、菊里高のキャリアナビゲーターから在校生4人を紹介されたということです。
商品開発の事前に開かれたミーティングでは、塾に通う高校生の80%が学校を出た後に軽食を口にすることを確認。しかし、その軽食はコンビニやドラッグストアなどでの購入が中心で、太りそう、味つけが飽きる、添加物が多くて健康を害するのではないか、などの懸念が生徒たちから挙げられました。
これらの点を考慮し決定した軽食がおむすび。比較的安価で手に取りやすい、手軽に食べやすい、1つでも空腹を満たせるなどの条件をクリアしました。
おにぎりは、トモカフェで提供している自家製発酵調味料を使った具を入れた4種類。「しょうゆこうじ」を使用したおかかとこんぶ、「甘酒づけ」の鶏肉を使った唐揚げとヤンニョムチキンで、腸内環境など体内の健康に配慮されています。
まずは2月12日からの3日間限定で、学校内でテスト販売を開始。価格を1個200~290円に設定しました。用意した50個が完売し、販売個数を増やした最終日も完売で終えました。
テスト販売の期間が終了してもトモカフェの店舗で利用できる回数券の販売も試みられ、店舗での市販拡大につながるような活動も行われました。おにぎりを最大で10個分購入できる回数券は、プリペイドカード型でスマホのケースにちょうど納まるサイズ。使い勝手が良くなるようにと、生徒たちのアイデアが採用されています。
早川さんは「私たちのやりたい思いと生徒が取り組んでいることが一致した今回のプロジェクト。体に良い食べ物を多くの高校生に届けることができました」と話しています。
おにぎりは現在、トモカフェで購入でき、一般向け価格として240~330円を設定。2月26日からの3日間についても、おにぎりは、菊里高の通学路で路上販売が行われます。