“インター幼稚園”が名古屋で2倍に急増! 保育料自己負担ありでも人気のワケ
今、名古屋で急増しているインターナショナル幼稚園。その数は7~8年で約2倍になっています。人気のワケを探りました。
英語に自信がある保護者は10%未満 「質の高い英語教育を受けさせたい」
「We will show you all we can do!」(全力を尽くすことを誓います!)
なんと英語の選手宣誓! 実はこちら、インターナショナルスクールのキンダーガーデン、いわゆる“インター幼稚園”の運動会なのです。
少子化にもかかわらず、名古屋市では今、インター幼稚園が急増中。2016年には19校でしたが、2024年は37校に。ここ7~8年で約2倍になっています。
ノーボーダーズ インターナショナルスクール 武本由貴子副社長:
「しっかりと高い英語力や、質の高い教育自体を受けたいとお考えの方が多くなってきている。我々のような“インター幼稚園”のスタイルで幼児教育を受ける方がすごく増えている」
実際、子どもをインター幼稚園に通わせる、名古屋市昭和区の伊藤さんのお宅にお邪魔しました。双子のきょうだいが1歳から「ノーボーダーズ インターナショナルスクール」に通っている伊藤家。夫婦共働きとはいえ、保育料は一人、月7万円あまりと高額です。延長保育があると10万円以上になることも。
しかし、2019年から「幼児教育・保育の無償化」がスタート。認可外保育施設であるインター幼稚園は無償とまではいきませんが、市区町村が月に3万7000円補助しています。それでも、毎月3万3000円以上は自己負担となります。
保育料の負担が大きくても、子どもたちが成長するうえで大切なところにはお金をかけたいという伊藤さん夫婦。母・侑里子さんは、子どもたちをインター幼稚園に通わせる理由を、このように話します。
母・伊藤侑里子さん(41):
「(自分は英語が)いつかできるようになるだろうと思ってて、それができなかったので、子どもに託した感じです」
「ノーボーダーズ インターナショナルスクール」では日本人が95%以上を占め、そのうち英語に自信がある保護者は10%もいないといいます。
伊藤家も、自宅でもなるべく英語に触れさせたいと絵本を読み聞かせしていますが、子どもたちに発音を直されるのは日常茶飯事。そんな中、双子の父・智彦さんは、運動会を前に決意していたことがありました。それは、先生たちと英語でコミュニケーションをとること。
運動会では保護者が参加する種目もあります。お父さんたち5人で走るムカデ競走では、英語はちょっぴり苦手でも全力で走るお父さんたち。熱戦に会場が大盛り上がりとなる中、いよいよ先生に話しかけるチャンスがやってきました。
父・伊藤智彦さん(42):
「You know we…we…We went to the practice…like a race」(こっそり競走の練習していたんだよね)
外国人講師:
「You were so fast! I was really surprised」(速かったね! すごく驚いたよ)
父・伊藤智彦さん(42):
「Can you understand my English?」(僕の英語通じてる?)
外国人講師:
「Perfectly!」(完璧さ!)
感謝の気持ちをきちんと伝えたかったというお父さん。積極的に話しかけコミュニケーション成功! インター幼稚園では、子どもたちだけでなく、保護者も英語に触れる機会が増えるようです。