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餌代高騰!“入場無料”を実現し続ける、飼育員たちのユニークな試みとは?

2024年7月15日 21:07
餌代高騰!“入場無料”を実現し続ける、飼育員たちのユニークな試みとは?

餌代高騰に立ち向かうべく、“クラウドファンディング”に挑戦中の『岡崎市東公園動物園』。動物園ならではの、“あれ”を活かした返礼品が話題を集めていました。

ニューヒロイン誕生!意外な名前の由来とは?

約20種類の動物が見られる愛知県岡崎市の『岡崎市東公園動物園』。この動物園に先月2日、かわいい赤ちゃんが誕生しました。赤ちゃんの名前は「クララ」、ニホンジカの女の子です。

すくすくと成長し、今では同園のニューヒロインとして期待が高まるクララ。同園の飼育員・山西聡さんは、「(クララは)本当に物怖じしないというか。お客さんの目の前まで来てくれて、姿を見せてくれてるので期待できるかなと」と笑顔で語ります。

名前の由来は、あの有名アニメのキャラクターと思いきや、実は「クラウドファンディング」からとったというクララの名前。その理由について、『岡崎市東公園動物園』の杉本憲志さんは、「『東公園動物園』ではクラウドファンディングを始めてまして。その最中に生まれたということで、“クララ”と名付けました」と明かします。

園内でバナナ栽培!「餌だけは節約したくない」

岡崎市として、初めてのクラウドファンディングに挑戦している『岡崎市東公園動物園』。その理由は、“物価の高騰”。「余裕はないです。正直言って、ないです。すごく餌代も高騰していますが、餌だけは節約できないので。すごく大変です」と『岡崎市東公園動物園』杉本さんは話します。

入園料は無料という同園。余裕がないなか、ピーク時の餌代は6年前と比べると、約1.5倍にもなっているといいます。節約のため、獣舎や日よけなどを飼育員が手作りすることも。

「こんな感じで取ってきた草がためてある」と、飼育員・山西さんが見せてくれたのは、ゾウの餌倉庫。なかには、餌用の草がたっぷり保管されていました。

食べるのは、今年、56歳になったアジアゾウのふじ子。“いろいろなものを食べてほしい”という思いから、飼育員が河川敷で草を取ったり、さらには園内でバナナを栽培しています。

嬉しいことに、1か月に約12万円の節約にもなっていうこの試み。「多分みんな修行だと思ってやってますけど、(ふじ子が)すごくおいしそうに食べてくれるので」と山西さんは笑顔で話します。

返礼品はゾウの“選ばれしうんち“

今、そんな『岡崎市東公園動物園』の“”返礼品”が話題を集めています。それはなんと、ふじ子の“本物のうんち”を使用した「ふじ子のうんち模型」。3万円の支援をすると、そのお礼としてもらえるのです。

作り方は、まず2か月間しっかり乾燥させたふじ子のうんちに、ニスを塗ってコーティング。ニスを塗っては乾かしを10回ほど繰り返し、飼育員が丹精こめて手作りしています。

同園によると、ふじ子は定期的に糞便検査を実施。寄生虫、ばい菌が含まれていないか検査を行っており、“うんちの模型”は乾燥させてニスでしっかりコーティングさせているので、衛生面は問題ないということです。

また、ゾウのうんちには、草などの繊維が多く含まれており、“うんち模型”の表面を見ることで、草の形が残っている様子を観察することができます。

「1日60個ぐらいうんちをするんですけど、その中で(崩れずにきれいな形のまま残っているものは)1個あるかないか。かなり貴重なうんちなので、そう“選ばれしうんち“です」と、返礼品について話す山西さん。

“選ばれしうんち“の返礼品に来園者も興味津々。「動物園にしかできないお返しだなと思いますね。玄関とかに飾ると運気が上がりそうですね」、「これでも記念になるから、いいかもしれないですね。床の間に飾っておこうか」などさまざまな声が寄せられました。

飼育員たちの努力が実り、クラウドファンディングの目標金額はすでに達成。同園では次の目標に向けて、7月19日(金)まで支援を受け付けているということです。

餌代高騰に立ち向かうべく、クラウドファンディングに挑戦中の『岡崎市東公園動物園』。「子どもたちが気軽に来て遊べる場所でありたい」という思いから、今後も“入園料無料”を続けていく予定だということです。

最終更新日:2024年7月15日 21:07
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