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『藤田医科大学病院』が「遺伝性腫瘍外来」を新設、自分自身の“がん発症リスク”を知ることで、予防や早期発見・治療につなげる

2024年8月27日 9:26
『藤田医科大学病院』が「遺伝性腫瘍外来」を新設、自分自身の“がん発症リスク”を知ることで、予防や早期発見・治療につなげる

愛知県豊明市にある『藤田医科大学病院』が、2024年8月1日より、遺伝性のがん(腫瘍)を専門的にフォローする「遺伝性腫瘍外来」を開設しました。

「遺伝性腫瘍」とは、生まれながらの体質(=遺伝的な要因)でがんの発症リスクが高まること。「遺伝性腫瘍外来」では、発症・未発症に関わらず、遺伝性がんの発症リスクに応じた定期的な検査・発症予防処置、遺伝カウンセリングなどを提供。「家族にがんの罹患者がいる」「がんと診断されて、子どもでの遺伝が心配」など思いを抱える患者や家族が、自身のがん発症リスクを知ることで、予防や早期発見・治療につなげることを目的としています。

以前より“がん家系”という言葉はありましたが、同院の「遺伝性腫瘍外来」を担当する医師は、近年「遺伝性腫瘍」に光が当てられるようになった理由は2つあるといいます。

一つ目は、近年の研究によってがんの5~10%は遺伝性であることが分かってきたこと。日本では毎年100万人が、がんと診断されていますが、そのうち5~10万人が“遺伝性腫瘍“ということになり、決して少ない人数ではありません。

二つ目は、がんの治療、特に薬物治療の選択において、がんのゲノム(遺伝子)を調べることが一般化するなかで、検査時に“患者の遺伝を調べる”という機会が設けられることから、「遺伝性腫瘍」と診断される機会が増えたことが挙げられます。遺伝性腫瘍であることは、“いま目の前の患者”が別のがんに罹る可能性があるだけでなく、“患者と同じ体質を持っている血縁者”が、これからがんを発症する可能性があるということも意味します。

適切なサーベイランス(遺伝情報に即したきめ細かな定期検査)やリスク低減処置を実施することで、早期発見や予防に繋げることが可能に。長期にわたるフォローアップ体制を構築するため、『藤田医科大学病院』では「遺伝性腫瘍外来」を開設したといいます。

「遺伝性腫瘍外来」では、本人や家族の病歴、本人の気になる症状などから、遺伝性のがんのリスクを総合的に評価。遺伝性のがんと診断された人には、リスクに応じた定期検査の実施、治療や予防に関する情報提供、血縁者への対応についての相談などが行われます。

また、現在の日本の医療では、患者は臓器別に診療科を複数受診するため、遺伝性のがんに関する十分な情報提供やサポートが受けられないなどの課題があったといいます。そのため、「遺伝性腫瘍外来」の専門医が主治医となって様々な診療科と緊密に連携することによって、臓器横断的に遺伝子の特徴に応じたトータルサポートを提供することが可能になりました。

『藤田医科大学病院』では、数種類の「多遺伝子パネル検査(MGPT)」を導入し、どのような遺伝子にも対応できるよう体制を整えているとのことです。

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