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92歳のチアリーダー、最後のステージに密着 日本初のシニアチーム立ち上げ

2024年5月25日 17:40
92歳のチアリーダー、最後のステージに密着 日本初のシニアチーム立ち上げ

日本で初めてシニアのチアチームを立ち上げた女性が、この春、92歳でチームを引退しました。最後の舞台に密着しました。

■53歳で米留学…シニアチームを知り、63歳で立ち上げ

今年3月、チアの全国大会。若者たちの中で、ひときわ大きな歓声を浴びていたのが、平均年齢67歳のチアチーム、ジャパンポンポンです。

最年長の滝野文恵さんは92歳。パワフルなダンスと笑顔で観客を魅了します。

53歳でアメリカに留学した滝野さん。その縁で、アメリカにシニアのチアチームがあると知り、63歳でジャパンポンポンを立ち上げました。

滝野文恵さん「いくつからでも、何でも始められるというのが持論」

以来28年間、現役で踊り続けてきました。

滝野さん「平均年齢70歳の人が、70歳の(レベルの)踊りをやってるんじゃ、誰も感動しない。もっと上の(レベルの)ものを一生懸命するから皆さん感動する」

コロナ禍も乗り越え、2022年には大規模なショーも上演しました。

■今年1月に92歳の誕生日、大きな決断

今年1月、92歳の誕生日を迎えた滝野さんは、大きな決断をしていました。

滝野さん「やめどき、やめる時ってあるじゃん。いろんなものに」

早い動きやジャンプの繰り返しに、ついていかなくなった体。

滝野さん「体力的にもそうだし、覚えるのも大変。スピードも大変。(チームの演技に)迷惑をかけるギリギリの線でやっている」

3月の全国大会を最後に、チームを引退するというのです。

長年、支え合った仲間たちは…。

チームメンバーの山口さん(81)「去りどきっていうか、そういうのって大事よねという話は、してらっしゃった」

チームメンバーの嶋田さん(72)「ジャパンポンポン滝野文恵のプライドは、今ここで終わることが一番なのかな。それを私たちも受け入れてあげなきゃいけない」

滝野さんは最後の舞台に向けて、繰り返し練習に励みます。

滝野さん「ここまで来たら多分、後悔もしないと思うし、後になって、もうちょっと続けられたのにと思わないと思う。だから来るところまで来たから、よかったと思う。ここまで来て」

■本番当日、最後の演技 笑顔で踊り抜く

迎えた本番当日。立ち上げから28年と3か月。

滝野さん「私は人生が変わったと思ってますね。これがなかったら、どうだったんだろうと」

チームで踊る最後の演技。メンバーと一つになって、つくり上げます。声援の中、滝野さんは笑顔で踊り抜きました。

出場した高校生「これからも頑張ろうという思いが、毎回見るたびに、心に刺さります」

滝野さん「(Q.お気持ちは?)とにかく早く、ビール飲みたい!」

滝野さんのジャパンポンポン、ラストステージは幕を閉じました。

■生き方は変わらない 新たなステージへ

ナツコ・グレース先生「新人の方が、タッキーこと、滝野文恵さん」

自分のペースで踊ることができるカントリーダンスを新たに習い始めるというのです。

滝野さん「多少、形が違ったり、いろんなことがあるかもしれないけど、いくつからでも何でもできる。一個終わって、次ですね」

ジャパンポンポンは引退しても、生き方は変わらない。滝野さんの新たなステージが始まります。

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