【福島が誇るフルーツに…浜通りへの応援も】ふるさと納税 福島県内59市町村への寄付額が89億円と過去最高に
好きな自治体に寄付ができる「ふるさと納税」について、2023年度、県内59市町村への寄付額は、89億円と過去最高を更新する見通しとなりました。
福島が誇る特産品の数々が人気なことに加え、風評被害に負けるな!という応援の声もその増加を後押ししたようです。
自分のふるさとや応援したい自治体に寄付ができる「ふるさと納税」。
その魅力の一つが寄付のお礼としてもらえる「返礼品」です。
県内の自治体でも魅力的な特産品や趣向を凝らしたサービスなど様々な返礼品を取り揃え、PRしています。
「昨年の福島県内におけるふるさと納税の納税額が最高額に達した」
制度の定着に伴い、年々、増加傾向にあるふるさと納税の寄付額。
2023年度、県内59市町村へ寄せられたふるさと納税は、速報値で89億546万円となり、前の年度から4割以上も増加し、過去最高を更新する見通しとなったのです。
このうち、最も寄付額が多かったのは、福島市で14億5863万円と3年連続で10億円を突破しました。
好調の要因は、福島が誇るフルーツの返礼品です。
■あづま果樹園 吾妻 正一 代表取締役
「ここ5、6年の間、毎年右肩上がりで好調だと思います」
観光果樹園として、フルーツ狩りや店頭販売に力を入れてきたあづま果樹園ですが、新型コロナの影響で観光客は一時、激減しました。
そうした中で、ふるさと納税はネット販売を支える大きなツールになっていたと言います。
■あづま果樹園 吾妻 正一 代表取締役
「メインの観光(果樹園)で販売している部分と、(ふるさと納税を含めた)インターネット等で販売している部分と、いろいろな武器が増えたなという実感はある」
6月のサクランボにはじまり、桃、ナシ、ブドウ、リンゴと半年以上に渡り、フルーツが楽しめることも返礼品として人気を集めている理由の一つだそうで…あづま果樹園では、引き続き、ふるさと納税も活用しながらフルーツ王国ふくしまの魅力を全国に発信します。
■あづま果樹園 吾妻 正一 代表取締役
「福島も果物がすごく多いということを全国の皆さんに知ってもらえたら」
そして、寄付額が一気に増えた自治体が、浜通りのいわき市です。
■いわき市創生推進課 小川仁一さん
「8月の福島第一原発の処理水の放出後、全国から応援ということでふるさと納税の件数が増えた」
2023年の8月に海への放出が始まった福島第一原発の処理水。
海洋放出に伴う、風評も心配されましたが、逆に寄せられたのは…「風評被害に負けず頑張って下さい」、「いわき大好きです 応援してます」といった、全国からの応援メッセージでした。
寄付をした人の多くは、いわき市で水揚げされた「常磐もの」を返礼品に選んだといいます。
■いわき市創生推進課 小川仁一さん
「9月に台風13号の被害がありましたので、被災者を支援するということで寄付が多く寄せられた」
2023年9月に、いわき市を襲った水害の際にも応援の声が寄せられたと言います。
こうした全国からの支援もあり、2023年度のいわき市への寄付額は、約9億2千万円と過去最高額を更新し、前の年に比べても3億7千万円も増加しました。
■いわき市創生推進課 小川仁一さん
「全国の皆様に感謝を申し上げたい。実際にいわきに足を運んで頂いていわきの良さを知っていただくことに繋がっていけばと考えています」