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「真夏の暑さとは違い…人馬ともに最高の祭り」暑さで2か月前倒しの“相馬野馬追” 軍師の思い

2024年5月29日 19:07
「真夏の暑さとは違い…人馬ともに最高の祭り」暑さで2か月前倒しの“相馬野馬追” 軍師の思い
相馬地方で1千年以上の歴史を誇る相馬野馬追。2024年は、暑さによる人や馬への負担を減らすため、2か月前倒しでの開催となりました。

開催時期は変わっても、伝統を受け継ぐ思いに変わりはありません。騎馬武者を束ねる軍師の思いに迫りました。

5月25日、土曜日。新緑を揺らす風が吹く中、2024年の相馬野馬追が幕を開けました。

出陣式で1人の男性が、騎馬武者を奮い立たせます。

■軍師 門馬光清さん(67)
「侍諸侯においては、威風堂々の進軍をし、合戦場においては、勇猛果敢、獅子奮迅の戦いをし、無事、この中村の地に凱旋することを希望し訓示とする」

総大将の指揮のもと、騎馬武者を束ねる軍師の門馬光清さんです。

門馬さんは、64年前、3歳の時に初陣し、以来、相馬野馬追に関わり続け、出陣は2024年で51回目です。

そんな門馬さんが追いかけてきたのは、6年前に亡くなった父・清人さんの背中。

■軍師 門馬光清さん(67)
「私の父も軍師をやったとき、50数年野馬追に出ていて子どもというか下の方から見ていて、すごいなって思っていました」

多くの騎馬武者を束ねる父の姿を見て育ってきた門馬さんは50回目の出場となった2023年には、父も務めた軍師に任命されました。

■軍師 門馬光清さん(67)
「親の背中を追ってきて、親と並んだなっていう思いが大きい」

親子2代での軍師は、史上初だと言います。

相馬野馬追は、毎年7月に行われてきましたが、2024年は暑さ対策のため、2か月前倒しての開催です。

真夏の祭りから初夏の祭りへ、新たな歴史を刻みます。

■軍師 門馬光清さん(67)
「伝統ある野馬追をきっちり継承して、その姿を観光客に見ていただく、感動して帰っていただきたい」

そして迎えた相馬野馬追・本祭りの日、甲冑を身にまとい、1人の騎馬武者として気を引き締めます。

出陣を前に、次々と騎馬武者たちが軍師の門馬さんのところにやってきます。

■軍師 門馬光清さん(67)
「合戦場においては、勇猛果敢、獅子奮迅の戦いをし、武勲を上げ、羊腸の坂を一番乗りで上がることを希望する」

祭りの会場となる「雲雀ヶ原祭場地」に向け出陣です。

騎馬武者が一斉に列をなして進むその姿は、戦国絵巻そのもので、多くの観光客を魅了します。

■地元の女性は
「2023年も来たが、本当に暑くて、きょうは風も涼しくて、5月で良かったなと思う」

侍たちが集まった雲雀ヶ原祭場地では、人馬一体となって駆け抜ける「甲冑競馬」に、高く打ち上げられた旗を奪い合う「神旗争奪戦」と、祭りの熱気は、最高潮に達します。

■東京から訪れた人は
「とにかく迫力があって、皆さんのかけ声も昔の戦国武将そのものですごい」

■地元の人は
「7月から5月開催ということで、どのくらいの観光客が入るかわからなかったが、結構いらっしゃっていて、びっくりした。街の賑わいがすごく感じられて、市民としては嬉しい行事」

開催時期は変わっても、伝統を受け継ぐ、騎馬武者たちの熱い思いは変わりません。

■軍師 門馬光清さん(67)
「真夏の暑さとは違い、風もあったりして、人馬ともに最高の祭りができた。今年は、5月開催の第一歩だったが、素晴らしい野馬追ができたのでは」

相馬野馬追の新しい歴史を作った門馬さんは、父から受け継いできた侍の誇りを胸に、次の挑戦に挑みます。

■軍師 門馬光清さん(67)
「まさに私の人生が騎馬武者として出場したということなので侍として、ますます勉強しながら精進して、長くやっていきたい」

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