【台風10号】漁業・農業への影響を懸念 3日間漁に出られず 早めの稲刈りは雨で中断 大雨と暴風に警戒 福岡
福岡県内では台風への備えが急ピッチで進められています。漁業や農業の関係者からは、ゆっくりとした速さで進む台風によって、被害が拡大しないか心配する声が聞かれました。
福岡県豊前市の漁港では28日午前、台風の接近に備え、ロープで船を固定していました。
■漁業関係者
「(船が)傷つくぐらいならまだいいですけどね。堤防に乗り上げたら大変ですからね。気持ち悪いですね。動きもはっきり分からないし。大したことなかったで終わればいいのですが。」
こちらの漁港では26日から漁ができない状態が続いていて、収入への心配もあります。
■漁業関係者
「ずっとお休みになるから、収入はゼロになる。長ければ長いほど。」
また、港に隣接する漁協直営の直売所や食堂は、今週土曜日まで臨時休業となっていました。
一方、台風の影響でしょうか。連続記録に変化がありました。
■金子麻史カメラマン
「太宰府天満宮の参道です。汗が噴き出るほどの暑さもなく、風が通っているため比較的過ごしやすく感じます。」
40日連続で続いた、太宰府市の猛暑日。28日の最高気温は29.3℃となり、国内最長を更新し続けてきた記録が途切れました。
■訪れた人
「きのうの方が暑かったので、きょうの方が過ごしやすい。」
■梅ヶ枝餅の販売店
「暑さが落ち着いたらお客さんもたくさん来るし(梅ヶ枝餅を)食べやすくなる季節にはなると思います。」
暑さは一段落しましたが、心配されるのは台風による農作物への影響です。
■児玉悠一朗記者
「こちらの果樹園では朝からイチジクの収穫が行われています。」
福岡県行橋市の果樹園では、イチジクが最盛期を迎えています。
■スタッフ
「枝が揺られて実が落とされたり、傷ついたり。台風はどうしようもないと思っています。」
イチジクの場合、風や雨に対して有効な対策がないことから頭を悩ませています。
■末永果樹園・末永壮一さん
「開いたところに雨が入ると商品にならない。加工用になる。二束三文にもならない。雨はイチジクにとっては大敵なんです。」
また、福岡県築上町の水田では。
■元木寛人アナウンサー
「目の前には大きな田んぼが広がっていて、 今まさに稲刈りが行われています。」
本来は、9月に入ってから稲刈りをする予定でしたが、1週間ほど前倒しで作業を行っていました。
■コメの生産者・田村速美さん
「台風の影響で、結構強い台風なので、刈れるだけ刈ってしまいたいというのが本音ですよね。」
しかし、作業を始めておよそ30分後。雨が強くなり、稲刈りを中断せざるをえませんでした。
■田村さん
「本音としては、もう少し刈りたい。この雨ではもうどうしようもない。」
27日も稲刈りをしましたが、収穫できたのは全体の3分の1にとどまっています。
■田村さん
「倒れてしまって水につかってしまう。これが何日も続くと品質が落ちるし、生産量も落ちる。」
ここ最近、米不足が深刻なことから、食卓に米を届けたいという思いがあります。
■田村さん
「皆さん、米ないやろうか、分けてくださいという声をいっぱい聞くので。早く収穫して、皆さんに届くようにはしたいんやけどね。収穫時期の台風は困るよね、本当に困ります。」
非常に強い台風10号は、金曜日に福岡県に最接近する見通しです。