40人のサンタたち 被災した子どもたちと地域の人にプレゼントを届ける 福岡・久留米市
ことし7月の記録的な大雨で被災した福岡県久留米市の子どもたちに24日、クリスマスプレゼントが届けられました。プレゼントを届けたのは、被災地の復旧を後押ししているボランティア団体です。その心温まる活動を見つめました。
■子どもたち
「来た!」
「来た!来た!来た!」
楽しみにしていたサンタクロースの登場に、子どもたちは大はしゃぎです。ここは、記録的な大雨の被災地・久留米市田主丸町にある竹野小学校です。
■子どもたち
「見て!こんなのが入っとった!」
「アヒル!」
「うれしい!」
■日本九援隊・肥後孝理事長
「あんな笑顔を見られるとは思っていなくて、うれしかった。」
災害ボランティアに取り組むNPO法人・日本九援隊の肥後孝理事長(55)は、現役の福岡県職員でもあります。
東日本大震災が起きた2011年、県職員として派遣された被災地の宮城県東松島市で、災害ボランティアの必要性を痛感し、日本九援隊を設立しました。
ことし7月の記録的な大雨で、大きな被害を受けた久留米市田主丸町で、肥後さんは直後から、毎週土曜日か日曜日には必ず、高校生などを連れて現地に足を運び、復旧に向けたボランティア活動を続けています。
あれから5か月、復旧作業が続く被災地を元気づけようと、クリスマスプレゼントを届けることにしました。
■ 肥後理事長
「被災地の人に前を向いて、クリスマスくらいは笑顔になっていただきたい。」
この日、肥後さんが訪れたのは、福岡県朝倉市の廣八堂です。くず餅やわらび餅を製造・販売しています。
■廣八堂・合原昭俊総務部長
「こちらの中身ですね。開けてみます?」
「私もわらび餅大好きで。喜ばれます。わーすごい。」
被災地へのクリスマスプレゼント用に協力を依頼したところ、わらび餅120人分が無料で提供されました。
■合原部長
「こちらも朝倉市で、数年前に災害に遭っているので。被災で困っている方の気持ちは分かっていまして。特に子どもさんやご年配の方は、お菓子なり甘い物を食べると、そこで一つ、ホッとできればいいのかなと。」
プレゼントを届ける前日、日本九援隊の事務所を兼ねる肥後さんの自宅では、お菓子やおもちゃを袋詰めする最後の作業が行われていました。
準備するプレゼントは、全部で800袋です。3つの企業に加え、個人として50人から寄付が集まりました。
■肥後理事長
「子どもの元気な様子を見た大人や被災地の方々が笑顔になって元気になっていただいて、来年は頑張っていこうという気持ちになってもらえれば。」
袋詰め作業は、深夜まで続きました。
翌朝、肥後さんたちはサンタクロースの衣装に身を包んでいました。用意したプレゼントを車に乗せ、久留米市田主丸町へ向かいます。
40人のボランティアサンタクロースが訪れたのは、大雨で土石流が発生した竹野地区にある、竹野小学校です。小学校の児童や、近くの保育園に通う園児たちが集まっていました。
■サンタクロースたち
「せーの、メリークリスマース!」
■小学6年生
「ルービックキューブゲットしました!」
「もう1個くださいと言いたいです!」
■保護者
「こういうイベント開いてもらうとすごく親としてもうれしいです。」
■肥後理事長
「子どもたちのあんな笑顔を見られるとは思っていなくて、子どもたちは元気だなと思って本当にうれしかった。」
さらに、地域の住宅を回ってプレゼントを届けました。復旧作業を手伝った人たちにも、手渡しで思いを伝えました。
■プレゼントを受け取った人
「日本九援隊の力を借りて復旧して、気持ちがリフレッシュするというか明るい気持ちになる。」
被災地の復旧は道半ばです。肥後さんは今後も、寄り添っていく覚悟です。
■肥後理事長
「ちょっと入ると茂みの陰になっているところとかは、土砂がまだいっぱい残っていて、私の目から見ても道半ばです。最後の一人まで、災害ボランティア必要ないよと言われる日まで頑張っていきたいです。」