特集「キャッチ」福岡市動物園に7年ぶりのゾウ たび重なる延期を経て4頭を担当する飼育員 待ち望んでいた少年も
福岡市動物園で30日、ミャンマーから来たゾウ使いとゾウを小屋に入れる作業をする男性。ゾウへの熱意が強く、飼育担当のリーダーになった白濱祥平さん(32)です。
2017年に「はな子」が死んで以来、およそ7年ぶりにゾウが福岡市動物園にやってきました。この日を迎えるまでに半年以上かけて、白濱さんたちは準備を進めてきました。
幼い白濱さんの後ろに写っているのは、福岡市動物園の人気者のゾウ「はな子」と「おふく」です。
小さい頃から動物の飼育員になりたかったという白濱さんは、大学生の頃に再び、動物園で長生きしている「はな子」を見て、人の心に残る動物だと感じたといいます。
その後、佐賀大学の大学院で生態学を学び、赴任した愛媛県の「とべ動物園」で初めて担当したのが、アフリカゾウでした。
コロナ禍などを経て福岡市動物園で働くことになり、今回初めてゾウを受け入れから担当します。
■福岡市動物園 ゾウ班リーダー・白濱祥平さん(32)
「大型の動物で、4頭来るので、準備はかなり大変。最初からゾウ担当という一生できない経験ができると思うと、すごくうれしい。」
■福岡市動物園 最年長・福原晋弥さん(50)
「いつもゾウの標本を見て最初に思うのは、鼻には骨がないなと。ここにガランと空いた、この形ですよね。」
そしてもう1人、ゾウを担当するのは、福原晋弥さん(50)です。
「はな子」が死ぬまでの15年間、担当していたベテラン飼育員で、この日は福岡市博物館で子どもたちにアジアゾウについて説明していました。
■福岡市動物園 最年長・福原晋弥さん(50)
「この頭骨の写真は、福岡市動物園に7年前までいた『はな子』でした。奥歯が特徴的で、『はな子』の飼育員なら誰でも『はな子』の歯と分かる状態。」
福原さんにとって「はな子」や「おふく」は、担当した動物の中でも特別な存在だったといいます。
■福原さん
「10年以上同じ担当したのはゾウが初めてで、苦労しながらちょっとずつ距離を詰めていったので、思い入れは強い。」
ゾウと信頼関係を築くためには時間がかかるので、若い人たちに経験してほしいと一度、担当を断りました。
■福原さん
「私みたいな年齢の人間が担当するより、若い人間がこれから長く付き合った方が、ゾウの面倒をみられる気がして。」