【実証事業】「分身ロボット」で社会参加 20キロ離れた場所から遠隔操作で接客 福岡
遠隔操作で動かすことができる「分身ロボット」。障害や持病で外出が困難な人でも、このロボットで社会参加の可能性が広がるとして、福岡県が実証事業の一環で初めて導入しました。
5日から福岡県庁で始まった「まごごろ製品販売会」。障害者施設で作られたパンやお菓子、雑貨などが販売されています。その売り場では。
■中村安里アナウンサー
「人に混ざって接客をしているのはロボットです。手を動かしたり声をかけたりして、お客さんを呼んでいます。」
■分身ロボット
「いらっしゃいませ!」
「分身ロボット」は、遠く離れた場所にいる人が遠隔で操作して接客しています。遠隔操作を担当していた人は、福岡県庁からおよそ20キロメートル離れた福岡県古賀市の福祉施設にいました。
■遠隔操作を担当
「こんにちは!」
くも膜下出血の影響で記憶があいまいになり、1人で外出するのが難しい状況でしたが、「分身ロボット」を操作し、いきいきと接客していました。
■中村アナウンサー
「こんにちは。」
■分身ロボット
「こんにちは。いらっしゃいませ。」
■中村アナウンサー
「おすすめはどの商品ですか?」
■分身ロボット
「マドレーヌがおすすめです。」
■中村アナウンサー
「この、目の前にある商品ですか?」
■分身ロボット
「そうです。」
■中村アナウンサー
「人が目の前で接客してくれているような感覚もありますし、動いているので愛着がわきます。人の温かみも感じられました。」
手を振ったり、あいさつをしたりという動作もロボットに指示できるため、実際の接客に近い体験ができます。
■訪れた子どもたち
「こんにちは。」
■分身ロボット
「こんにちは!4人きょうだい?にぎやかで楽しそうですね。」
操作を終えて男性は。
■遠隔操作を担当
「1個でも買ってもらおうと気持ちが高ぶって、その場にいるような感じで面白かったです。いつもは決まった人と決まった会話しかしないので、楽しかったです。」
福岡県は今回の取り組みを踏まえ、「分身ロボット」をほかの障害者施設にも広げていきたいとしています。