ティファニー本店や天神ビッグバン第1号ビルなど手がける 福岡出身の建築家・重松象平さんが語る福岡の街
ニューヨークのティファニー本店やカナダの国立美術館など、世界的にも評価されている建物、実は福岡出身の建築家がデザインしたものです。
今、手がけるのは、ふるさとである福岡の大型再開発事業、天神ビッグバンです。世界を舞台に活躍する建築家が語った、福岡の街の強みとは?
■重松象平さん(50)
「国際的に仕事をするというのは、文化の違いだけじゃなくて、価値観の違うところでどう建築を通してコミュニケーションをとっていくかみたいなところも考えないといけなかった。」
2月、世界を舞台に仕事をする難しさについて語るのは、福岡県久留米市出身の建築家、重松象平さん(50)です。
ニューヨークのティファニー本店や、カナダの国立美術館のデザインなど、世界を股にかけて活躍してきました。
重松さんが建築に興味を抱いたのは10歳の頃でした。父親の仕事でアメリカのボストンで1年間生活したのがきっかけです。
■重松さん
「西洋の建築とかアメリカのダウンタウンの高層建築とかを見たり、大学の施設も古くて、由緒ある重厚な建物を見た時に、日本との違いに驚いたというか、いい刺激を受けて。」
重松さんは九州大学の建築学科を卒業した後、オランダに留学し、建築を学びました。ニューヨークを拠点にヨーロッパ、中国など世界中の建築に携わっています。
世界的に活躍する重松さんが今、故郷の福岡で携わるのが、大型再開発事業、天神ビッグバンです。その第1号として、2021年に完成した天神ビジネスセンターのデザインを担当しました。
ガラス張りで、いくつもの角(かど)が特徴的なオフィスビルですが、完成前にそのデザインについて夢を語っていました。
■重松さん(2019年)
「この角が福岡一、いや日本一、有名な角になることを期待しています。」
完成からおよそ2年あまり。「日本一の角」になれたのか聞いてみました。
■重松さん
「まだですね。でも可能性はあると思う。あの角って実は、天神ビッグバンがどんどんできあがって、角がどんどん際立つように作られているので。天神ビッグバンが進んでいくと、角がもう少し引き立つと思う。まだもう少し時間はかかるのかなと思います。」
その天神ビジネスセンターの南側に建設が始まった新たなオフィスビル。重松さんは2026年6月に完成予定のこの天神ビジネスセンター(2期)のデザインにも携わっています。
同じオフィスビルですが、社会の大きな変化を象徴するビルになると話します。
■重松さん
「片側はコロナ以前にデザインされたもの、2期はコロナ後にデザインされたということで、世界中で意識が変わったものが反映されている。オフィス・働く環境が概念がすごく変わってしまった。」
コロナ前は出社を前提にデザインしましたが、コロナ後はリモートワークなど多様な働き方に対応できるデザインにしたといいます。
世界中の名だたる都市で建築デザインに携わってきた重松さんに、福岡の街の強みについて聞きました。
■重松さん
「福岡ってどうしても東京・大阪に続けみたいな感じだったと思う。今はすごく潔いというか、福岡らしさを追求しようというふうにメンタルが変わってきていると思う。それはすごくいい傾向だし、そういう傾向が続いていけばいくほど、らしさとか、独自のものが生まれてくると思う。周りの影響をうまく受け止めて、福岡らしさだけではなく、いろんな多様な文化を取り入れて発展していってほしい。」